<月刊AMI>2010年9月号 Vol.110 ■△▽●○□


1.三男の入社

 私事ですが、8月に重要な変化がありました。
実は、3人の息子がいるのですが、その末っ子が8月に当社(有限会社エー・エム・アイ)に入社しました。
彼は、コンピュータ関係の専門学校を卒業後、人材派遣の会社に就職し、東京でニコン関係の会社で品質管理の仕事をしていたのですが、例のリーマン・ショックの余波で極度の半導体不況になり、ニコン関係のリストラで自宅待機になり、その延長線上で、本年1月末で会社都合による退職となったのです。
失業保険の対象期間内に、いろいろと人生を模索したのですが、本人の技術を活かす方向で当社に就職をする事になりました事を、まず、ご報告申し上げます。

 会社はお蔭様で創業15周年を無事に迎えています。
お客様にも恵まれて、一応、経営基盤は安定しています。
こういう恵まれた環境の中で、三男が入社した訳です。
彼は、元来、コンピュータのソフト開発が得意なので、VBやアクセスなどの言語でちょっとしたアプリケーションの開発が出来るのです。
しかし、ソフト開発ばかりでは本業から離れ過ぎるので、ホームページやチラシの制作も出来るスキルを身につけて、いろんな案件で実践中です。

 さて、当社は、三男の入社で、経営の最大課題である「身内の育成法」に直面する訳です。
この課題は、多くの会社に共通するものです。
当社の場合、経営コンサルティングという要素とそれを実践するのに必要なIT技術という2つの要素があります。
将来の事業継承者としてこれら2大要素を身につけて欲しいのですが、まずは、得意分野であるIT技術分野で活躍して欲しいと思っています。この技術は、頭で理解出来てもそれだけでは不十分なので、それを具現化する「突破力」というような感性を磨いて欲しいと期待しています。

 しかし、現実面で、この「感性」という問題が大きいのです。
61才と23才では、約40年の開きがあるのです。
もちろん、新しい感性を伸ばす必要があるのですが、無条件という訳にはいかないのです。
平素、他人さんの指導でもなかなかズバっと指摘する事が難しいのですが、まして、大事な息子となると甘くなるのは目に見えているのです。
そこで、重要なポイントは本人の「尊敬の念」と、身近にいる厳しい先輩の指導なのです。
肉親という甘えの構造が、本来の「尊敬の念」を薄めてしまい、先輩の指導も甘くなりがちなのです。
親子の情を断つ勇気が必要なのですが、意外に難しいのが実感です。

 事業継承という際に、親は、実力があれば経営者にすると言うのですが、どうしても、周囲の目が最初から「次の経営者」とちょっと距離をおいてしまうので、真の実力が身につかないケースが多いのです。
厳しく躾けるには「親」である経営者が実践する必要があるのですが、例えば、給料や昇進も人より遅いくらいが適当なのですが、どうしても甘くなるのです。
この辺は、本人にしっかりと言っておく必要があるのです。
よく母が「麦は踏まれて逞しくなる」と言っていましたが、息子も「麦」であるとしっかりと認識して欲しいと思っています。

 そういう背景がありますので、貴社のホームページや販促物のデザインなどで仕事をさせて頂く機会が増えますが、その際に、必要以上に厳しく接して頂ければ、非常に有難いのです。
厳しいご指摘を得て、初めて「麦」になれると思うのです。踏まれても踏まれても、その度に「起き上がる」という根性を養う必要があるのです。
こういう「創業」の疑似体験を経て、人への真の思いやりが生まれると確信しております。
何卒、皆様より「厳しい」ご指導を賜りますようにお願い申し上げます。


2。「さいごに」

酷暑が続いています。
皆さんの所では如何でしょうか?
暑い時期に、新しい営業所を新設する準備に追われている会社があります。
日常の仕事をこなしながら、新規出店の準備が重なるので体力的に大変だと案じています。
しかし、この決断が外部からの巨大隕石の影響を排除できる根拠にもなりました。
そういう意味で「ピンチこそチャンス」という格言に頷けるものを感じています。



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