<月刊AMI>2010年8月号 Vol.109 ■△▽●○□


1.天地人

 昨年のNHK大河ドラマ「天地人」をご覧になった方も多いと存じます。
この「天地人」は、宇宙を構成するものとして、天と地と人の「3才」からなるという意味です。
元来、日本では、孟子の教えとして「天の時、地の利、人の和」として広がっているものです。
また、北越軍談の謙信公語類という本では、
「輝虎(謙信)公曰く。天の時、地の利に叶い、人の和とも整いたる大将というは、和漢両朝上古にだも聞こえず。いわんや、末代なお有るべしとも覚えず。もっとも、この三事整うにおいては、弓矢も起こるべからず、敵対する者もなし」
と言ったと言う位のもので、3つが揃うと万全の体制と言えるのです。
上杉謙信が嘆いたと言う程この3つを同時に兼ね備える事が難しいと言えます。

 この事は、現在にも通じるもので、企業で戦略を練る際にも、この「3才」を点検する事が大切です。
皆さんも何かを決断する時には「天の時」、「地の利」、「人の和」の3要素をチェックしてみて頂きたいと思います。
では、皆さんの会社で考えてみましょう。
まず、「天の時」ですが、これは自社が独占できる商品が東京スカイツリーに採用され、その優秀性が証明された事が加わって、展示会やWEBからの問い合わせが急増しているという「天の時」が来ているのです。
SSNを始めとしてSSシリーズの商品への問合せが急増しており、その商談では、現在のところ、貴社が独占しているのです。早く、これらのユーザーと取引が始まる事が期待されるのです。

 このように「天の時」が到来しているのですが、次の「地の利」を改善する必要があるのです。
皆さんの会社の場合、大阪と東京の2拠点です。
問合せが来る企業の現場は、全国各地に分散しているので、必ずしも「地の利」があるとは言えないのです。
ねじの場合、お客様は、まず、試作から入るので小口の供給から始まります。
その試作で有効であれば、設計変更で「ねじ」として書き込まれてから実際の供給となるので、非常に商談期間が長くなるのです。
この間に、何度も「やりとり」するには、地元の業者の方が有利になるのです。
地元業者とコラボして、お客様に提案する事によって、商談のスピード・確率は格段に向上するのです。
このような「やり方」の改善が急務であります。
最後の「人の和」ですが、昨年来のイノベーション活動や今期のISO取得活動などで、皆さんで「文殊の智恵」を出し合う事が出来るようになっています。この方向で進めて行けば良いと思います。

 私は、こういう意味で、皆さんに「天の時」が来ていることを実感して欲しいと思うのです。
「地の利」は、やり方の改善で補うことが可能になります。
もちろん、地方の販売店さんの教育という事が重要になりますので、「商品勉強会」を開催するように仕掛けることが重要です。
この「商品勉強会」を受け入れる会社である事が前提条件になると考えています。
よりお客様に密着して、Win−Winの関係を築けるように発想を変えることも重要になります。
もちろん、貴社の素晴らしい「人の和」を活かして総合力をさらに向上させて欲しいと期待しています。
ぜひ、皆さんの素晴らしい人生を切り拓いて頂きたいと存じます。


2。「さいごに」

先月、創業15周年を無事に迎えることが出来ました。
トヨタから学んだ「10年続ければ、達成できる、20年続ければ、プロになれる、30年続ければ、神様になれる」という尺度があります。
この尺度で言えば、コンサルとしては一人前になって、「プロ」と呼ばれるワンランク上の存在に向かっている途中と言えます。
最近、お客様の監査役に選ばれました。これなどは、15年の信頼の証とも言えます。
最近、このように、うれしい出来事が多くなっています。毎日が楽しく、わくわくしながらの仕事が多くなっています。



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