<月刊AMI>2010年6月号 Vol.107 ■△▽●○□


1.名刺の使用量

先月号でP・F・ドラッカーの経営学から

「ビジネスの目的の正当な定義はただひとつ。顧客を作り出すことである。」
「ビジネスには2つの機能しかない。マーケティングとイノベーションである。」

の2つをご紹介しています。
1番目は「顧客創造」、2番目は「マーケティング」と「イノベーション」ということがポイントでした。

 このシンプルな教えの1番目「顧客創造」は、営業部門にとって永遠の課題であります。
私は、「顧客創造」という前に「人」に会うことが先決だと思っています。
「人」に会わない限り、必ず、マンネリ化して停滞してしまうのです。
私の基本的考え方に「人」x「物」x「人」という公式があります。
ビジネスというカタカナ語を使うと商売は「会社」対「会社」と考えがちなのですが、
まず、この「会社」対「会社」という関係はないと考える事をベースにしているのです。
売る側の「人」と買う側の「人」の間に「物」があると言う考えなのです。
確かに、インターネット時代になって「人」がなくても「物」があれば売れる時代になっていますが、
これでは継続的な関係は生まれず、価格が決め手になるのです。

 しかし、こういう時代だからこそ、逆に、売る側の「人」すなわち「営業マン」と呼ばれる人の存在価値が高まるのです。
昔、トヨタ販売店時代に新入社員教育で「営業マンの使命は、お客様をつくる事とそのお客様からリピートやご紹介を得ること」と教わりました。
この「お客様をつくる」という点では、常に、新しい人と出会うことが欠かせないのですが、そのバロメーターを「名刺」におくとその使用量が重要になるのです。

 営業という職種で100枚の名刺をどれ位の期間で消費するかがポイントになります。
もちろん、新規のお客様では名刺交換するのですが、既存のお客様では殆ど使用しないケースが殆どなのです。
これでは、特定の人としか会っていない事になります。私は、既存客を担当しても積極的に周辺の人を紹介して頂いて名刺交換、すくなくとも名刺を渡しておく事をお薦めしています。
このような考えでいれば、担当の方ばかりでなく、現場の方や設計や事務の方など範囲が広がるのです。

名刺を渡したからと言って大した事がないと思われるかも知れませんが、一度、面識が出来ると相手の見方が変わって来るのです。
お互いに顔を合わして「会釈」する場合でも、より感情がこもって来ます。
これは、小さなことですが貴重な事なのです。仮に、今の担当者が変わって、この関係の方が後任になるケースも考えられるのです。
また、この関係の方に新しいニーズ・ウオンツが生まれた場合、名刺を頼りに声をかけて下さる可能性もあるのです。

こういう風な意味で「名刺の使用量」を再度チェックして見てください。
あなたはマンネリしていませんか?
もっともっと積極的に「名刺」を渡しましょう。
「名刺」は「人」との関係の始まりなのです。
次にお会いした時には「心」のこもった「会釈」が返って来ると思います。
ぜひ、チェックしてみてください。


2。「さいごに」

政治の世界が大混乱になっています。
来月は参議院選挙という事ですが、国民は、誰に、どの党に投票すれば良いのか分からなくなっているのが実情と思います。
ギリシャの危機が長引いていますが、こんな時こそ、しっかりとしたリーダーシップが必要になります。
期待したいものです。



月刊AMIトップへ