<月刊AMI>2010年1月号 Vol.102 ■△▽●○□


1.「温故知新」

あけましておめでとうございます。平成22年になりました。
皆さんの新年の抱負は如何でしょうか?私は、もっと業務改善の原点に戻って、より現場の皆さんの問題解決を一緒に考えるようになりたいと願っています。
右図は、私が考える業務改善スキームを表しています。
この中に、PDCAやOJT・BB・MMQCなどのローマ字が入っています。
実は、これらは随分以前から言われているものばかりですが、最近、再度、クローズアップされて来たものです。
PDCAはPlan、Do、Check、Actionの頭文字であり、それぞれ、目標、実践、点検、対策という意味であります。
OJTは、オン・ザ・ジョブトレーニング(On the Job-training)の略で、仕事を通じて部下指導する事であります。
BBは、ビッグ・ブラザー(Big Brother)制度の略で、職場グループの中で、新人教育を任された先輩という意味で、2〜3年生が担当するケースが多いのです。
MMQCは、もっと儲かるQCという事です。
QCは品質管理(Quality Control)の略ですが、通常は、小集団活動として使われています。

 最近では、同じような事をカタカナ語で言う傾向が強いですが、例えば、「チーム・ビルディング」というカタカナ語が流行っていて、リーダーシップの作り方を教えています。
しかし、この「チーム・ビルディング」は、「温故知新」と言いますが、PDCA・OJT・BB・MMQCなどを推進するリーダー教育と同じなのです。
確かに、心理学的な要素が加わり、ゲームなどを取り入れてチームの輪をつくるノウハウを教えていますが、ベースになっている部分は昔と大差ないのです。

 昨年夏から「イノベーション」として、皆さんに活動して頂いていますが、このイノベーションもMMQCと同じような意味合いなのです。
もちろん、QCは生産部門で行われた改善活動なのですが、QC手法として「問題点の発見、テーマの決定」⇒「目標設定(取り上げた理由の明確化)」⇒「推進計画の立案」⇒「現状の調査・分析(原因の究明)」⇒「対策の検討、立案」⇒「対策の実施」⇒「結果のチェック、定着化」⇒「残された問題と今後の進め方」という8つのステップで進めるものと確立されています。
MMQCは、もっと儲かるQCという意味で、非生産部門で実施するケースが多いものであり、QCと同じように8つのステップで行うのが通常であります。
この8つのステップを教えていないので、皆さんの活動報告では、毎月のようにテーマが変わるというチームがあるという結果になっているのです。

 このQC活動は、日本の製造業繁栄の基礎になったものです。
それを非製造業に展開したのがMMQCなのです。
「温故知新」で、ぜひ、QC活動そのものを勉強して欲しいと思います。
QCの本を読んで頂くと、必ず、「QCの7つ道具」と言われる分析ツールが紹介されています。
一度、原点に戻ってQC関係の本を読んでください。
図書館にあると思います。この勉強でイノベーション活動をさらにパワーアップして欲しいと思います。


2。「さいごに」

上記でも「原点に戻る」という意味「温故知新」とタイトルしてMMQCについて書いています。
何事も「知識・経験・根性」の3拍子と言いますが、「経験」というものも非常に重要な要素なのです。
QCは、20数年前の話しですが、その経験が重要なのです。
ISOを取得されている会社を見ていると結局QC活動を行っているようにしか見えないのです。
何か「ISO」というと別問題と思い勝ちですが、基本は同じなのです。
その辺を大切にして「考える」という習慣を再度見直してもらい、「人づくり」に貢献したいと思っています。



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