<月刊AMI>2009年8月号 Vol.97 ■△▽●○□


1.「サービス・イノベーションについて」

貴社は、今期のテーマを「サービス・イノベーション」とされています。
「サービス」とは何か、「イノベーション」って何かと定義する事がポイントと思います。
サービスを辞書で調べますと右掲のようになっています。
ここでは、2の「顧客のためになされる種々の奉仕」という点にして、決して、3の値引きやおまけという意味ではないことを確認しておきます。
また、イノベーションも辞書では、右掲のようにあり、「新基軸」という点にしておきます。

さて、右掲は私が考える「改善・改革の4段階」を表したものです。
クルマを例にしていますが、少し補足しておきます。まず、「改善」という事ですが、英語ではimprovementが相当すると考えています。
今までの「やり方」などを改めて少し効果を出す、一般的には数%と言われています。
あまり大きな効果を最初から引き出すのは、非常に難しいことを物語っています。
クルマのマイナー・チェンジは、あまり良い効果を出すとは言えないのも頷けると言えます。
次に、「改革」があり、フル・モデル・チェンジとしています。英語ではreformが相当します。
この「改革」と次の「革新」との相異が微妙なのです。
英語では、reformもinnovationも当てはまりますが、innovationの方は「刷新」という意味合いが含まれています。
「刷新」には、新基軸になるものが必要になります。
新しい技術(エンジンなど)やコンセプトがある場合にinnovationとなるのです。
この「技術」や「コンセプト」が重要なのです。
最後の「変革」は、英語では、〔変えること〕change 〔改革〕 reform; 〔大変革〕 revolution と3段階ですが、私は、敢えてtransformationという単語を当てていて、新機軸を柱にして組織などを再編成する事としています。

今期の「サービス・イノベーション」は、まず、「改善」の段階からスタートして欲しいと思っています。
皆さんの出来る範囲内で効果を上げるのが「改善」なのです。
この「改善」の中から「やり方」を大きく変えると効果が出るとして、全社的に「やり方」を変えるのが「改革」です。
まず、小集団で「改善」の効果を出して、その「やり方」を全社的に展開しようとするのが「改革」なのです。
これは、本当に規模の差だけと思います。

例えば、IT技術を加えることで「革新」となるのですが、これには、「投資」という課題があります。
「改善」や「改革」には、「やり方」の変更なので投資という事はありませんので、すぐに実施できることなのです。
今回「イノベーション」なので、いきなり「投資」が絡む「革新」(案)が出て来るかもしれませんが、この場合、現状とのギャップを見つめて慎重な決断が必要になります。
そういう「大きな事よりも小さな事からこつこつ」というスローガンで皆さんのマインドづくりがキーポイントと考えます。
よろしくお願いします。


2。「さいごに」

  「チーム・ビルディング」という言葉があります。
意味的には、チームは、本来、一つの目標に向かう集団であり、チーム・ビルディングは、メンバーの意識改革をしてチームの成績を上げるように努力する事になります。
リーダーシップのあり方を問うものであり、メンバーを巻き込むという努力をさすのです。
これは、永遠の課題なのです。
この活動の中に「人材育成」という要素も含まれているのです。
PDCA管理を展開するにも不可欠な視点であり、同時並行で進める必要があるものです。
昨今のリーダーに、この能力が求められているのです。



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