<月刊AMI>2007年11月号 Vol.76 ■△▽●○□


1。はじめに


孔子の教えに「志学」から始まり「而立」「不惑」・・という年代別の教えがあります。
私は、58才になって、ますます、その意味の重要性を噛締めています。
その反面、青木選手が65才で日本シニアオープンに優勝した事や中日ドラゴンズにテスト生で入団し、年俸400万円で契約した中村選手が、日本シリーズのMVPを獲得する大活躍したドラマを見ると「まだまだ」と思うのです。
このような相反する思いが胸の中で起こっているのですが、体力の衰えは、いろんな面で如実化している事実を考えると奇跡を夢見るのは「年甲斐もない」という平凡な帰結に陥るのです。
常識的なことは一般的には重要な事なのですが、サミュエル・ウルマンの「青春」の詩のように、心の若さも大切にしたいのです。
母は、「65才は、まだまだ、若い」と言っていますので、青木選手のように、若い人に範をたれる存在に向かって精進して行きたいと思っています。


2。PDCAサイクルを回す

皆さん、いきなりですが、「PDCA」って言葉を聞いた事がありますか?
思い出したという方も多いと思います。
普段は、頭の中から抜けていますが、仕事の「進め方」の基本ですね。
Pは、Planで計画することを指し、Dは、Doで実践する事で、Cは、Checkで気づいて、Aは、Actionで対策を打つという流れを言っています。
P→D→C→A→P→D・・と循環していくと物事はうまく進むと言われています。
この循環を「PDCAのサイクルを回す」と言っています。

 この「PDCAサイクルを回す」のキーポイントは何かと考えてみると、皆さん一人々々が現場にいて、「気づく」→「観察する」→「考える」という事の連続が基本なのです。
そして、この基本を促進する運営ノウハウが必要なのです。
このノウハウは、ちょっとしたものなのですが、個人レベルだけでなく、上司と部下の関係にも大きく左右するものです。
先輩から管理職の3大能力として

 ★目標指示力・・「さぁ、これをしよう!」と現場を引張る力
 ★部下育成力・・「できない」という部下に、自力で教える力
 ★問題解決力・・トラブルが発生した時に、分析して、具体的に指示を出す力

と教わりましたが、現実的には、「部下育成力」は、教えるよりも「あれって、どうなっている?」という一言が大きいと考えるようになっています。
何故なら、「あとで・・」という事で、現場の人は、忘れることが多いのです。
先日、ある方のメールに「できる人の条件」は、

★一流の人はすぐにやる
★二流の人は後でやる
★三流の人は後でやろうと思って結局やらない

と書いてありました。
「あとで・・」と思う時は、もう「三流」なのです。
昔から、「物事は、できる人に頼め」と言いますが、この定義を指しているのです。

「三流」にならない方法で一番、カンタンなのは、「あれって、どうなっている?」という一言をかける事なのです。
この「あれって・・?」が相手を促進するのです。
誰でも、押し付けられたことは、実行に移しにくいもので、「あとで・・」という心理が働くものなのです。
この「あとで・・」の心理は、裏側に、相手が忘れてくれないかという期待感もあるのです。
この期待感を打ち消すのが「あれって・・?」という呼びかけなのです。この一言が重要と思っています。

 本来、「管理」という機能のうち、「集める」ということも大きなウエートを占めています。
ある工場では、終礼時に全員が集まって、上司が各自の日報を読んで、その回答をしていました。
1対1のコミュニケーションに終るのではなく、情報の共有化も同時に行なっていました。
これも「PDCAサイクルを回す」方式の一つです。
しかしながら、営業部門では、仕事が終る時間がバラバラなので、どうしても個別対応になって、帰社した営業の報告を受けて、その対策を指示するというやり方になり、どこの会社も営業の現場管理職は「体力」が必要になり、リクルートなどの先端企業では、30代で、もうワンランク上の管理職に上らないと40代は勤まらないと言われています。

 貴社も、現状よりもワンランク上の「品格」を目指されると思います。
その為には、私がサラリーマン時代、課長昇格時に先輩から「電通の鬼十訓」のコピーをもらったのですが、その中の

6.周囲を「引きずり廻せ」。
10.「摩擦を怖れるな」。  参照:http://www.web-ami.com/mailnews/070730.html

が重要なポイントと思いますので、皆さんにご披露しておきます。その他、全部で10項目あります。
私は、そこまで、過激でなくても「あれって・・?」で十分と思いますが、皆さん、相互に、摩擦を怖れずに「あれって・・?」と声かけあう事で「管理力」向上されたいと思っています。





3。さいごに

 来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、そろそろ、来年の計画を立案する時期に来ています。
当方のように小さな有限会社ならば、計画というものはなくても自分で調整することが出来ますが、
それでも「文書化」しておかないとPDCAのサイクルを回すことが困難になってしまいます。
通常の会社では、「計画」を作成して、社員一同に示すという事業が重要です。
経営者は、一度立ち止まって「回顧と反省」を行いながら、SWOTを練り直してNew「計画」を立案し、それを「予算化」する作業をして頂きたいと思います。
まず、経営者の思いを示したいものです。 

 
月刊AMIトップへ