<月刊AMI>2007年10月号 Vol.75 ■△▽●○□


1。はじめに


 先日、ある会合でケイ・オプティコムの田邊社長の講演を聞く機会がありました。光通信の発展と同社の取組みのお話だったのですが、最後に金子みすずさんの「こだまでしょうか」という詩を紹介されて締められました。この詩は
    「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。
    「ばか」っていうと「ばか」っていう。
    「もう遊ばない」っていうと「遊ばない」っていう。
    そうして、あとでさみしくなって、
    「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう。
    こだまでしょうか、いいえ、だれでも。

というものです。
何とステキな締めくくり方なのでしょう。私は、深く感銘いたしました。
何か忘れかけている「心」の部分をうまく表現した詩であり、これを締めに使った田邊社長の見識の高さに感銘したのです。
ホントに「こだま」することが大切と心にしみました。


2。ジャンプ25

皆さん「味の素」と聞くとどんなイメージが沸いて来ますか?
若い人と私とでは浮かぶものが違うと思います。私の場合、古いんですね。
あの「味の素」のビンが食卓にある光景なのですが、若い人なら冷凍食品であったり、健康食品などでしょうね。
そうなんです、調味料メーカーに留まらず、今や、総合食品メーカーになっているのです。
そのキッカケとなったのが労使協調で始まった「ジャンプ25運動」だったのです。

 「味の素」と聞くと超優良企業と連想しますが、トップ・ブランドの調味料だけでは、需要の限界があって、売上不振に陥りコストプッシュの経営危機が迫っていた時代があったのです。
この危機を乗り越える策を人事部と労働組合がイニシアティブをとって「ジャンプ25」という構想に発展させたのです。
既存事業は75%で回せるという事で、残りの25%の人々をリストラではなく、新規事業へチャレンジさせるという事だったのです。

 会社を変えるには「お客様」が必要なのです。「福の神」となるお客様は、貴社の商品を求めていないかも知れないのです。
お客様から聞こえる「声」に、どのように対応して行くかが課題であり、「関係ない」と聞き流すのではなく、「こんな宿題を頂いた」という事で会社に持ち帰り「文殊の智慧」で実現化にバトルすることが「運命」を切り開くのです。
「こんなん?」というお客様のリクエストを大切にして行けば、「○○も・・」という会社に大変身していけると思います。

「展示会」ばかりでなく、Faxやホームページからの問合せなどと「来る人」は確実に多くなっています。
その「来る人」のご要望を真摯に受け止めて、新しいビジネス・チャンスをメイクして行くことが2010年に留まらず、今後の発展に大きく影響すると言えます。



3。さいごに

 「来年のことを言うと鬼が笑う」と言いますが、もうカレンダーや手帳などが売り出されています。
季節商品の売り出しはドンドン早くなっていますが、今年の異常気象では、どのように予測するかが難しいですね。
先行管理という手法がありますが、3ヶ月先を予測しながら逆算で実行手順を考えるのです。
多くのお客様では「見込み」として管理されているようですが、それでは、単に記載してあるだけという状態と思います。
もちろん、今月の仕事が最優先なのですが、同時並行で攻めるシナリオをもっておきたいと思うのです。
しかし、現実には難しくて苦戦しています。

 
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