<月刊AMI>2006年10月号 Vol.63 ■△▽●○□
コンサルという仕事をしていると時々、自分にシビレル瞬間がある。 57歳になったのだが、まだまだ、そんな瞬間がある。 売上不振を嘆くお客様に、不変部門という見方を教えて、その部門の数字が会社の姿勢を示していると指摘して、実際に、この部門が前年比87%だったのだ。 「売りたい」という気持ちが、修理とか消耗品という分野での活動を脇に追いやっているのだ。 商売は、商品を売る前に「自分」や「会社」を売らねばならないのだが、いきなり「商品」に目が行き過ぎていると指摘したのである。 お客様も納得されて、早速、対応策を練ったのだが、こういう瞬間は本当に「酔う」という感じだ。 こんな瞬間をもっともっと増やしたい。
NHK番組に「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組がある。 前身の「プロジェクトX」は企業やチームワークが中心であったが、この番組は個人が中心である。 たまたま9月14日の「患者は人生をかけてくる」という脳神経外科医、上山博康さんが紹介されていた。 かっこいいのは「過去から通した生きざまで、自分が好きでいられる生きざまを貫くこと・・」とプロフェッショナルということを語っていた。 経営コンサルタントも同じと思う。 お客様に信頼されて引き受けるので、もちろん「4つの自信」すなわち、会社・職業・商品・自分の4つの自信があって、それらをフルに活用して「お客様」を活性化して行くのである。 アドバイスにも激励・労いなどもあれば檄を飛ばすこともある。 自分がもつ「即時業績向上法」に社員さんを巻き込むのであるが、アクションしたが結果が出ないこともある。 その時に、お客様が「先生の所為ではないよ。僕らがもう一度頑張るよ」と言ってくれることが最大の喜びを感じる瞬間である。 何事も同じと思う。自分が好きでいられる「生き様」が、上山先生は脳神経外科であり、私の場合は「合わずに売る」というコンサルなのである。 まだまだ、自分で自分にシビレル瞬間がある。そんな瞬間に酔いながら、コンサル道を磨いて行きたい。
最近、耳にする言葉に「チーム・ビルディング」というものがある。 組織の成果に大きく影響を与える「リーダーシップ」を醸成することを主眼としたものである。 一般に、約8割の若者は「無気力」と言われている。 そんな中で、人を引張る能力を発揮せよという命題に直接入り込む重要なコンサル手法である。 日本には伝統的に山本五十六元帥の「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ」という言葉がある。 この中の「言ってきかせて」が難しいのである。 「チーム・ビルディング」は、その辺を解決する手法として注目されている。