<月刊AMI>2005年11月号 Vol.52 ■△▽●○□
「モッタイナイで地球は緑になる」(ワンガリ・マータイ著)という本が出版されているそうです。 著者は、環境に対する取り組みで初めてノーベル平和賞を受賞したケニア人女性。 アフリカに「グリーンベルト運動」を広め、持続可能な開発や、平和な社会づくりに貢献してきた彼女が、いかに貧しい農村女性を励まし、政治腐敗と闘ってきたを訴える。 最近、アフリカの一部で「食料難」に陥っていると聞きます。 まず、ベースの「食う」という事が満たされて「社会」的になれるのです。 「食う」に困らない私たちに大いなる警鐘を鳴らしてくれています。 再度、「もったいない」を思い起こしたいと思います。
夏目漱石の草枕に次の有名なくだり 智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 兎角に人の世は住みにくい。 があります。人の世をうまく表現しています。 ところが、「変革」となると漱石のように嘆いている訳には行きません。 リーダーとなる方は、平素は「知・情・意」のバランスを保っておられるのだと思いますが、 「情」という障害を克服する時に 「知」と「意」を強くして「貫く」姿勢が先ず、必要になります。 もちろん、そのまま突っ走ると独善と言われる事になりますので、 後フォローでケアして上げる配慮がポイントになります。 難しい課題ですが心掛けたいと思います。
「戦略的時間配分」という課題があります。 多くの場合、「80:20の法則」が働きますので、 この法則に従えば、本当に無駄な時間を使っている事になります。 しかしながら、人間という存在は、より効率的な時間を追求すると 「知・情・意」の「知」と「意」の世界に偏ってしまい、 「情」が薄れてしまい「おかしく」なってしまいます。 何事も「ムダ」もあってバランスできると思うのですが、 最近、そんな甘い「ゆとり」を持たせてくれない世情になっていますが、 私は、逆に、戦略的に「ムダ」な時間をつくる方がうまく行くと考えるようになっています。 この「ムダ」で少しでも「ゆとり」を持ちたいのです。