<月刊AMI>2004年9月号 Vol.38 ■△▽●○□

1。最近感じること・・「ちょこっと変身」


脱マンネリという課題は、とても重要な事です。コンサルタントを雇う企業のニーズにもこの「脱マンネリ」という要因が入っています。通常は「無事これ名馬」という事で、几帳面に働いておられますが、時代が変わって行くのでズレが生じているということが潜んでいるのです。カンタンな例では、喫茶店のマスターというのがあります。マスターに年齢というものがあって、それに応じた客層がつくものです。ところが、年々加齢するので「お客様」の状態が変わっていくのです。ひとり減りして行くのですが、それに見合う「新規客」がなかなか捕まえられないのです。喫茶店の客層という要因をしっかり把握して、こまめに「ちょこっと」ずつ「変身」して行かねばならないのです。これは、一般に普遍化できるものです。常に「脱マンネリ」を意識しておかないとズレが大きくなってしまいます。


2。ビデオ連動、ちょっと役に立つヒント・・「信念」

「信念」を辞書で調べると「固く信じて疑わない心。行動の基礎となる態度。」とあります。「人」という存在は不確かなものであり、いつも「信念」を貫き通すということが難しいものであります。それは、好調・不調に関わらず、108もあるという「煩悩」に悩まされます。「信念」を貫こうとする自分と「うまく行きたい」という自分に挟まれる訳であります。

最近の事例として、アテネで行なわれている「野球」をとりあげたいと思います。典型的な場面は、準決勝のオーストラリア戦9回の攻撃です。この回の先頭バッターである城島選手が、ウイリアムス選手の投球にタイミングが合わず、思わずセフティ・バントをしたのです。これは、多くの方が評論されていますが、城島選手をそこに追い込んだベンチの影響も大きいと思います。

それまでにも中村選手にバントをさせたりして失敗していました。中畑ヘッドコーチは、高校野球に立ち戻るのか、プロの意地を見せるのかという徹底がありませんでした。私は、今回のメンバーは、送りバントをした経験があるのかという疑問を持つのです。バントの名手と言われる人でも失敗するのに、高校時代でもバントを経験したことがないような中村選手などにバントを指示するというベンチは、勝ちにこだわり過ぎたと思います。

「勝つ」ということはトーナメント方式では最優先課題である・・それは理解できます。が、その前に、
「プロの意地」というものや選手の経験を忘れているように思います。技術を練磨した各国の代表チームが競う場で、「にわか」の技術が通用する訳がありません。特に、アゲンスト状態では、全く可能性のないバクチで終わると思います。「にわか」でもフォローの時は、相手が萎縮してよい結果になるケースもありますが、それでも丁半バクチの範疇です。

私は、結果が同じ50:50の状態ならば、にわかの事よりも今まで磨いてきた「技術」で勝負したいと思います。自分のスイングで出た「結果」なら、仕方ないとあきらめられますが、付け焼刃のスイングやバントで失敗するのは、「信念」という面が欠如していると思います。「サムライ」という事が脚光をあびていますが、「武士道」という観点からも「信念」を見直したいと思います。



3。さいごに・・「オリンピックの浜口親子」

今回のアテネ五輪のポイントは、谷夫妻や室伏兄妹の活躍や、長嶋ジャパンや女子ソフト・サッカーなどと思いますが、中でも、女子レスリングは興味深い結果になりました。伊調姉妹の金銀の明暗、くやしさと喜びなども「感動」ものでした。私は、「浜口親子」のファンになりました。強烈な個性のアニマル浜口さん、その「気合だ!」という声をしっかり受け止める娘の京子選手・・すばらしいですね。銅メダルに終わりましたが、瞼を腫れ上げた顔で堂々と笑顔でインタビューに応じる姿には、本当に感動しました。ちょっとの差で決勝に出られなかったことを悔やむのではなく、堂々としている姿から大きなものを学びました。

3/3
月刊AMIトップへ