<月刊AMI>2004年6月号 Vol.35 ■△▽●○□

1。最近感じること・・「挑戦者魂」


よく「挑戦者には不可能はない」と言われます。攻めている時の状況を表しています。しかし、一度、守りに入ると「できない」という声が多くなってきます。攻めと守りの相違を感じます。小生の先輩で旅行業界におられる方ですが、幹部になっても月に1度は飛び込み訪問(最近では、馴染み客のフォロー)を継続して、若いときの気持ちを忘れないとおっしゃっています。

この事は、リフォーム業界で有名な広島のお客様でも同じであります。もう66才になられる先代社長(現相談役)が胃ガンの手術後も全社一斉ローラーの日には、何時間もポスティングを楽しんでおられます。靴一足ダメにする位、歩くのだとおっしゃっています。誠に「鉄人」と呼ぶのにふさわしい方です。

成長する勢いを忘れないという共通する姿勢を感じます。「挑戦者魂」・・これを定期的に思い出す仕掛けを考案したいと思います。小生は、最初のお客様を定期的に訪問して「原点」を確認しています。


2。ビデオ連動、ちょっと役に立つヒント!・・「戦略的脱皮」

最近、あるお客様の上場コンサルティングを引き受けています。現実は、上場というには課題が多すぎるという感じが強いのですが、オーナー及び経営陣の「思い」が強いのです。小生は、上場は結果であって、そこまでのプロセスで大きく体質改善ができれば上出来だと考えています。

上場の必須条件は、投資家に魅力あるリターンを安定的にもたらせることです。その意味では、安定した顧客を創造することが先決条件です。

そこで、まず「商品」を開発して「磁石化」する必要があります。「商品」に大きなパワーがあれば「顧客」を磁石のように引き寄せてくれるのです。この「磁石化」ですが、基本は「商品」+「付加価値」でオンリーワンになるのがベストです。しかし、同社の場合、「商品」は他社製であるというハンディがあります。自社の「付加価値」を高める方策を2つ提案(守秘義務)しています。

次に、それらを実践する「人財化」であります。戦略的な方向に適応して頂くことと「3惚主義」(1.商品に惚れ、2.職業に惚れ、3.自分に惚れる)の実践であります。さらに「情報化」であります。小生は「情報」を基軸としてCRM構築を提案しています。このように、経営資源の3要素+「情報」のうち、「金」を除いた手法で行っています。

すなわち、「商品」も「人材」も磨く必要があるのです。それには、先天的な能力の有無が問題ではなく、「素直」に実践できるか否かにかかっています。経営陣がこのような「ビジョン」を打ち出しているのですから「チャンス」なのです。それぞれの役割に応じて「アクション・プラン」を描き、経営陣とともに「夢」実現に邁進する訳です。もちろん、不足する人材もある訳です。コア・ビジネスが順調であれば、Newビジネスへの人材投資ができるものであります。魅力ある条件でヘッドハンティングも一つの手法であります。でも、これは、次善の策です。あくまでも今の社員さんが成長するのが第一優先であります。その上で、次の「情報化」が生きてくるのです。

それは、「トヨタ方式」を基本にしています。「トヨタ方式」と「情報化」という犬猿の仲のような組み合わせですが、それが小生の特長です。コンサルタントですから外部に位置しています。それだけに、現場実践を「うわべ」であっても回す必要があるのです。そのコントロールに「情報」を活用するのです。「トヨタ方式」の神髄は「3つのム」(ムダ・ムラ・ムリ)を徹底して排除することにあります。それを「情報」のよって実践するのです。まず「ムダ取り」は、基本の4Sから始めます。これができれば「現場の問題点」は自ずからハッキリして来ます。また、これに連動する「改善活動」は、即効果なので「喜び」を拡大する素晴らしいものです。この結果、素晴らしい「数値」となって現れて来ます。

次に「ムラ取り」は、整流化という概念を基本にします。換言すれば、「継続は力なり」を実践するのです。サイクリックな活動を「習慣化」させ、成果を拡大します。最後の「ムリ取り」は、標準化という手法をとります。モデルをつくれば、誰でも一定水準の成果を残せるようにする訳です。このモデル化により「方針管理」が徹底できるようになります。この「ダ・ラ・リ取り」は、ベーシックな課題として必須のものであります。

今までの成功事例には安直に外部から人材をスカウトして行く方法(ソニー生命など)もありますが、企業風土を確立するには、少々荒っぽい手法と言わざる得ません。小生は「改善」をベースにする「商品化」・「人財化」・「情報化」でコンサルティングさせて頂いて「着実・前向き・具体的」に進めるコンサルティングを行っています。


3。さいごに・・「鏡の法則」

「ちょこっと変身!」と言い始めて自分でも新しい気づきがありました。例えば、ルートを変えてみるという事です。あのお客様を訪問するなら、このルートという風に自分なりに最適解が出来上がっています。それを一度破棄してみると面白いです。いつもクルマで訪問しているお客様へ電車で行ってみると、駅から歩くといろんなお店や会社に出会います。私は「現場体温測定法」を持っていますので、やって見るのです。
結構、面白い発見が出てきます。特に、小売店の創意工夫はその差の大きさを痛感します。「楽しんでいるな!」と感じるお店には立ち寄って見たくなりますね。こんな点が積み重なって「繁栄」と「じり貧」に分かれるのだと思いました。「創意工夫」は思いがあって始めてできるものです。「思い」を定期的にチェックしましょう。「鏡の法則」と言いますが、「思い」がお客様に伝わることを実感しています。また、「創意無限」とも言われています。お客様を思うアイデアは無限に出てくるものです。ドンドン、お客様に伝えて、繁栄していきましょう。

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