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     ** AMIニュース 2008年 2月 2日 **

     当メールは、弊社のお客様に送っています。 Vol.50

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1.トピックス

先日、セロリー鰍ニいう女性用ユニフォーム・メーカーの春夏物の展示会に
行って来ました。

展示会では、商品展示の他にショーもありました。

2008年春夏用の新作ユニフォームなのですが、
さすがにモデルさんが着ると「華」を感じますね。

音楽に合わせてモデルさんたちがモデル・ウオークして下さるのですが、
その軽やかなテンポで気分がウキウキしました。

8人のモデルさんが登場したという事でしたが、
私には、同じ人たちのように感じさせるのは「プロ」を実感しました。

そして、ショーが終わると自然と軽やかに歩いている自分に驚きました。

さて、今日の「楽笑カレンダー」には
「怒るより 利口でかわいい あほになれ 笑てなはれや〜」
とあります。
http://www.rakusho.co.jp/

私は、乗せられやすい性格なので、楽笑さんの言葉のように
「かわいい あほ」を心がけたいと思います。

今日の「コラム」は「青木さんの話」です。

またまた、長文ですが、よろしくお願いします。


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2.コラム:「青木さんの話」について(筆者:栩野 正喜)

■「青木さんの話」

1月23日(水)、大阪府中小企業青年中央会の「新春セミナー」に
お客様と一緒に参加しました。

このセミナーの目玉は、あの有名な人工衛星「まいど1号」プロジェクトの
推進者、潟Aオキの青木社長の講演でした。

青木社長は、「中小企業の社長がマイクを持つようになるとアカン」と
先輩から教えられていたのに、その先輩から、
「東大阪を元気にしようという旗振りをやれ!」
と言われてやっているという事から始まりました。

青木社長のところは、万博景気の頃、昭和45年当時、まだ、10数人の
小さな町工場だったそうです。

その頃は、「ヨコ持ち」という制度があって、誰かが大手企業の設計図を
もらって来ては、皆が集まって、「この部分は、うちがする」と言って、
見積りを出し合って、仕事を分配していたそうです。

しかし、青木さんは、親の会社に入社して10数年経っており、
この東大阪で当たり前の「ヨコ持ち」制度に、危機感を感じたそうです。

そこで、一念発起してダイキンの工場に飛び込んだそうです。

約束もとらずに訪問したので、守衛さんがガードする訳です。

何度も何度も「注文が欲しい」という青木さんの声に押された形で、
ダイキンの担当者に会うことが出来たのですが、ここでも、
「何故、ここにいるのか?」という担当者に「注文が欲しい」と押し問答
した上に、ひとつの設計図をもらう事に成功したそうです。

その設計図のパーツは、青木さんの工場設備だけでは「ムリ」なので、
それこそ「ヨコ持ち」で皆に協力してもらって10個納品したそうです。

品質的には、何とか合格が出たのだそうですが、
値段がまったく合わなかったそうです。

そんな風にして、ダイキンという大きな企業に入り込んだとの事です。


■「儲けは信じ合う者同志から生まれる」

その後、ダイキンはトヨタ方式を導入する事になったのですが、
あの泣く子も黙る「カンバン方式」ということで、
ダイキンから指導チームが来るのを構えてびびっていたそうです。

その時に来た先生が、青木さんの顔を見て
「お互いに儲けるために来ている」
と言って、青木さんに「儲ける」という字を書くように指示したそうです。

ポカンとしている青木さんの様子を見た先生は、自分で「儲け」を書いて、
「儲け」とは、人が言う者とバラすのではなく、「信」と「者」にバラして、
お互いが信じ合うことから始まるのだ
と話してくださったとの事です。

一方的に押し付けられると構えていた青木さんは、一挙に、気持ちが緩んだ
そうです。

「信じ合う」という言葉が「腑に落ちた」のです。

そして、その先生は、儲けるために魂を入れると言って、
「魂」という字は、「云」と「鬼」から出来ているので、
「鬼になって言う」
と話されたそうです。

結構、ビシビシと指摘されたとの事ですが、
「儲ける」ことが目的であり、「カンバン方式」は手段であり、
お互いに信じ合うことがベースになって、鬼のように厳しく指導される
という事が共有されていたので、スムーズに行ったとの事です。

この「信じ合う」という事は、非常に重要であり、
経営者と社員との関係においても大変重要なものなのです。

社長であれ、幹部社員であれ、自分より下の者に対して、
「自分の給料より多くなってもらう」
という気持ちを持つことが重要だとおっしゃっていました。

ちょっと耳が痛い人が多いと思います。


■ボーイング社の世界一小さな認定工場

こんな風に、ダイキンさんとの直取引が始まったそうですが、
次の大きな転機がボーイング社との出会いなのです。

10数年前に、青木さんの会社は30名を超えるようになっていて、
何かのご縁でボーイング社の部品をつくるチャンスが来たのです。

ジェット旅客機の部品は100万点を超えるそうですが、
どの部品も超精密な品質が要求される訳です。

ISOという基準をご存じと思いますが、ボーイング社と取引するには、
ボーイング社の事前調査に合格する必要があるのです。

この時、大手企業と青木さん工場の2社を調査されたのですが、
何故か青木さんの工場のみが合格したのだそうです。

ボーイング社の調査団に通訳する日系3世の方がおられて、
青木さんは、スムーズに自分のペースで話をする事ができたのです。

もちろん、社員さんも同じなのです。

一般の通訳を介して会話すると、ペースが狂ってしまい青木さんも社員さんも
自分を失うのですが、日本語が分かる社員さんとの会話なので、
自分のペースを保てたようなのです。

ある時、青木さんは、その通訳の社員さんに合格の訳を聞いたそうです。

その答えが「社員さんの目が輝いていた」という事だったそうです。

こうして、ボーイング社の認定工場になって経営が安定して来たのです。


■「東大阪をなんとかせなアカン」

青木さんの会社は、お蔭で経営が安定して来たのですが、
1万社を超えていた東大阪の地域企業が、ドンドン減って8千社になって来た
のです。

ドンドン廃業する工場が出来て、街がゴースト化し始めるのです。

人が減るという事は、技術の伝承という危機もあるが、
町の活気という面でも悪影響が出るのです。

当時、東大阪という町は、きたなくて、ぶっそうな町になっていて、
「ひったくり」などのワーストに入る状況だったそうです。

町に住む人も「大阪の東の方に住んでいる」と答えて、
「それじゃ、生駒ですか」と訊かれると「生駒の西です」と答えた
というエピソードがある程だったようです。

こんな時に、先輩から「町おこし」のリーダーに担ぎ出されたそうです。

「飛行機」から「ロケット」そして「人工衛星」と転々としたのですが、
東大阪の物づくりの技術を結集するプロジェクトになったのです。

あの有名な「まいど1号」は、このような背景があって、
青木社長がリーダーシップをとって、多くの人を動かしたのです。

国の助成もあって、マスコミに取り上げられて、ドンドン東大阪の評判が
良くなって来たのです。

すると全国から「仕事」や「人」が来るようになったとの事です。

「なんとかせなアカン」から生まれた「人工衛星」という「夢」を通して、
地域の技術を結集し、それをマスコミを通じてPRされたのです。

もちろん、「夢」だけでは「人」+「夢」=「儚」に終わるのですが、
それを実現させる「技術」という「裏づけ」があっての事なのです。

青木さんは、技術の伝承という面でも「若い人」が来るようになって、
喜んでいるとの事でした。

この「まいど1号」は、2008年後半に打ち上げられる予定との事です。

ご成功をお祈りしたいですね。

注)いつもの楽笑さんの言葉、
「夢は人を育て 夢は社会をつくり 夢は心を豊かにする 夢をもちなはれや〜」
がピッタリな話ですね。


■「感性」

お話の中で、青木さんは
「感性は、壁にぶつかった回数だ」と話されました。

私は、この言葉を聞いて、咄嗟に「壁突破力」を思い浮かべました。

12月8日号で「パワフル化3段階」をご紹介していますが、
その第1段階で「3つのスキル」の向上ということで、
1)「リレーション構築スキル」
2)「ヒアリング・スキル」
3)「壁突破スキル」
と書いています。
参照:http://www.web-ami.com/mailnews/071208.html

この3)「壁突破スキル」を思い浮かべたのです。

この「スキル」と「力」の違いなのです。

青木さんの言葉で、ハッと
「スキル」ではなく「回数」なんだ!
と思ったのです。

なるほど、現場で戦っておられる青木社長の言葉には重みも深みもある
と感銘したのです。

一般に、「ものづくり」の世界では
「知識・技術・技能」の3要素が重要と言われておりますが、
青木さんの話から、
「知識」や「技術」というレベルを超えた「ものづくり」の「技能」
という個人という存在の重みを痛感したのです。

「知識」があって「技術」もあるのだが、
「技能」が不足すると製品はうまく仕上がらないのです。

私は、青木さんの「感性」は、この仕上げに必要な「技能」を指すと
思ったのです。

「細部に神宿る」という言葉がありますが、
コンマ何ミリという世界、特に、1000分の何ミリを仕上げる「技能」が
「ものづくり」に必要なのです。

青木さんの「壁」には、現場の技能という「ドロ臭い」部分があって、
その熟練の技能から出る「1000分の何ミリ」という「ピカっ!」と光る
という「研ぎ澄まされた」ものと思うのです。

この日常の「ドロ臭い」を通して積み重ねた経験が「ピカっ!」と光輝くのは
営業や人生と言った分野も同じように思います。

安易に「スキル」と「モデル」とかカタカナで表現して、
「ピカっ!」が先行する時代で、「やり方」を覚えれば、誰でもうまく行く
と思うような風潮になっていますが、
「壁突破力」というレベルには「ドロ臭い」をベースにした
「根性」というものを再確認したいと思います。


■「誇り」

最後に、ある本を朗読されました。

ある所に居酒屋があるのですが、その居酒屋には、一流企業の社員も
地元の企業の社員も飲みに来るそうです。

若い人たちは、うち融けてワイワイと会話するようになるのですが、
女性もいるので「どちらにお勤め?」と訊かれるのです。

一流企業の社員は名刺を出して名乗るそうですが、地元企業の社員は
頭に手をやりながら「ちょっと・・」と口ごもるそうです。

この「ちょっと・・」という言葉で、女性は察しするのだそうです。

ところが、ある青年は堂々と「○○工務店」と名乗ったそうです。

その青年は
「自分が一番と思っている」
と誇らしげに会社を自慢したそうです。

この「自分が一番と思っている」という青年の輝きは想像できるでしょうか?

素晴らしいですね。

この恋の顛末は別にして、男の私も惚れますね。

「鏡の法則」と言いますが、社長、自ら「自社が一番」と誇りに思っている
でしょうか?

社員さんの不足ごとばかりボヤイていませんか?

こんな素晴らしい青年がいても「朱に交われば赤くなる」ですよね。

社長さん、幹部社員の皆さん、社長や同僚、部下の方々を誇りに思うように
しようではありませんか?

上層部自ら「こんな会社・・」では、明日はありませんよね?

まずトップから「自慢」するようにしましょう!

この話を朗読される時に、度々、青木さんは胸を詰まらせておられました。

青木さんは、この本に出会って10数年と話されておられましたが、
この話を何度も反芻されているとの事です。

つたない私の文書ですが、何度も味わって頂ければ幸いです。


■まとめ

・儲けは信じ合う者同志から生まれる

・「儲ける」という共通の目標を持って、「トヨタ方式」と手段で
 鬼になって「魂」を入れる。

・それを実現させる「技術」という「裏づけ」がある「夢」が重要。

・「感性は、壁にぶつかった回数だ」

・「ドロ臭い」の積み重ねから「1000分の何ミリ」の「ピカッ!」が生まれる

・「自分が一番と思っている」という青年の誇らしげな輝き


■当「AMIニュース」のバックログは、
http://www.web-ami.com/mailnews/main.html
でご参照ください。

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