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     ** AMIニュース 2007年10月20日 **

     メールは、弊社のお客様に送っています。 Vol.33

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1.トピックス

昨日から、グッと寒くなって来ました。

プロ野球は、パは日本ハムがロッテに勝って、日本シリーズに進みますが、
我が阪神タイガースは、早々と姿を消して、ストーブ・リーグ入りです。

悲しいですが、大阪人としては、阪神タイガースが元気なのが一番です。

少し寒くなってきたので「燗酒」もおいしくなって来ましたが、
日本シリーズで活躍しているのとストーブ・リーグでは、
酒のまわり方が違いますね。

やはり、「楽笑」さんのように「笑って」おれるように、
来年の戦力分析でもしています。

さて、今週17日(水)、BBC4ITのセミナーに参加して
「何故、プロジェクトは失敗するのか?」
という魅力的なタイトルのIBMの神庭氏の講演を聞きました。

昔からIBMのセミナーからは「大いなる刺激」を受けてきたのですが、
今回も
★「サービス部門(含む営業部門)の生産性向上」
という点で刺激を受けました。

もちろん、コンサルとして、お客様のプロジェクトをマネージメントして
成功に導くことが重要なので、その要点もシッカリ勉強しました。

プロジェクト管理については、5月17日号で「PMBOK」として
「プロジェクト・マネジメント」
参照:http://www.web-ami.com/mailnews/070517.html
取り上げていますので、
今回は、「サービス部門の生産性向上」に焦点をあて
「ABC/ABM管理」
を中心に書いています。

難しいことばかり書いていますが、流し読み程度でお付き合いください。

今日の「楽笑カレンダー」には
「笑いが大好き福の神 いつもあんたのそばにいる 笑てなはれや〜」
とあります。
http://www.rakusho.co.jp/

「笑てなはれや〜」は、その通りなのですが、
どうも、笑ってばかりおれないのが現実のように思います。

「見える化」で改善・改革して「笑える」ようになりたいものです。

またまた、長文ですが、よろしくお願いします。


☆「明るいビジネスネット」に掲載
https://www.akaruibn.com/presentop.jsp

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2.コラム:「ABC/ABM管理」について(筆者:栩野 正喜)

今週17日(水)に、IBM系の方々が主催しているBBC4ITという
団体のセミナーに行って来ました。

前回、9月19日が初参加で、ケイ・オプティコムの田邉社長が
「変化する情報通信環境とケイ・オプティコムの対応」
と題して話されて、この最後に、
金子みすずさんの詩「こだまでしょうか」
で締めくくられて、大きく感銘したとご紹介しました。
参照:http://www.web-ami.com/mailnews/070923.html

今回は、IBMの神庭弘年さんが、
「何故、プロジェクトは失敗するのか?」
ープロジェクトマネジャの視点からー
という刺激的なタイトルで90分講演されました。

その中で、いろんな点に触れられたのですが、私の心を動かしたのは、
★「サービス(含む営業)部門の生産性は、米国の半分」
という点でありました。

特に、営業部門の生産性向上は急務の課題ではありますが、
IBMが指摘するように、日本の多くの企業では
1)改善
2)改革
3)革新
4)変革
の4段階のうち、
1)の「改善」はPDCAサイクルを回していると必ず出て来る
ものなのですが、
これすら、皆無の状態に近い会社が多いのが実情であります。

日本の企業は、終身雇用がバックボーンで「家族的」な面が強くあります。

この為に、米国のようにドラスティックに再編成するという
荒療治が不向きな環境になっているので、
本来、強力なリーダーシップが必要な
2)改革や3)革新や4)変革
に着手する「決断」が出来ない企業が多いのです。

その結果、20数年間、何も変わっていない会社さんもあるのです。

20数年という期間を考えると
私は、「化石化」と読んでいますが、「先端」からの乖離(遅れ)
を想像するとゾッとしますね。

これは極端にしても、近い状況の会社は多いものです。

こんな状況を打破するには、
★「サービス(含む営業)部門の生産性は、米国の半分」と言われる
サービス部門の「生産性向上」
を実現させることも重要な切口です。

そのキーワードは、当メール・ニュースの10月6日号の「3つの革新」
1)「製品・サービス」
2)「業務改善・プロセス」
3)「ビジネス・モデル」
にあると考えています。
ご参考:http://www.web-ami.com/mailnews/071006.html


■「ABC/ABM管理」について

では、どのようにして
★「サービス部門」(含む営業)の生産性を向上させるか?
という点に入りたいと思います。

「1人当たりの生産性」と考えると
例えば、売上÷人数という数式も一つの解ですが、
私は、さらに踏み込んで
★「正味作業」による生産性
という風に深めたいのです。

作業には
正味作業:実際に付加価値を生み出す作業
付帯作業:正味作業に関連して出てくる作業
ムダ作業:まったく付加価値につながらない作業
という3分類があるのです。

例えば、営業では、コミュニケーション主義の考えでは、
正味作業:お客様と面談している時間
付帯作業:面談に伴う作業(準備、売上、調達、移動、会議など)
ムダ作業:空き時間、営業につながらない作業
などと定義します。

このうち
正味作業を増やして、
付帯作業を自動化などの革新で短縮化を計り
本来の成果である「売上」を向上させるのです。

よく、付帯作業でパソコンの前に長時間、居座っている営業マンを
見受けます。

その作業で産出する効果によりますが、本質的には、お客様に会うことが
最優先と私は考えていますので、その作業は間接の方に依頼して、
自分は、電話などで「探客」「アポ」とりする方が適切と指導しています。

さらに、営業ばかりでなく、作業員も間接員も作業を同じように分析して、
★どのような作業に時間を使っているか?
を統計的にまとめることになります。

この分析を進めると必然的に
「ムダ」を排除し、
「付帯」を短時間、もしくは、自動化する
という方向に向かい、
結果的に「正味」を多くするのです。

従来の紙ベースの営業日報からの分析では、「正味」が20%程度なのですが、
このように、細部に定義して、報告を集計すると、
驚くことに、8%(8時間のうち、38分しか正味作業がない)に
激減するのです。

このように、営業部門だけでなく、
サービス部門に含まれる間接員全体の分析をする
と驚く事実が分かって来ます。

こんな分析をする手法をITの世界では
「ABC/ABM管理」
という風に呼んでいます。

A:Activity
B:Based
C:Costing
M:Management
の頭文字で造られるもので、
Activity-Based Costing・・活動基準原価計算
Activity-Based Budget・・活動基準予算
Activity-Based Managemen・・活動基準経営管理
の3種の視点でシステムを構築するものです。


■「アメーバ経営」

このように、管理会計を「ABC/ABM管理」の3つの視点で構築すると
「計画」ということが充実して、
最終的には、有名な京セラの「アメーバ経営」に近づいていくのです。

この「アメーバ経営」の特色の一つは、
★自分の管理単位における「予算」達成のために、
管理者同士が作業員などを融通しあうようになる
事なのです。

上記のシステムにも「コスト」を振替る仕組みが組み込まれます。

特に、間接部門では、「だんご」作業になり勝ちなので、
それぞれの活動が
平準化:できるだけ一定レベルになるように計画する
標準化:だれでも出来るように作業手順などをマニュアル化する
整流化:時期的なバラつきをなくす調整(含むアウトソーシング)する
という風に、
例えば、総務・経理・業務の垣根をなくすようにするのです。

このようにすれば、間接部門は、相当スリムなものに変化します。

また、多くの企業では、
現場作業は、ある程度、「計画らしきもの」があって動いている
と見受けられるのですが、
ABC/ABM法で正味の生産性を計測すると驚くべき実態が
「見える」のです。

「計画らしきもの」から本来的な「正味優先の計画」にレベルUPする
ことが大切なのですが、
現場の方々には、大変な衝撃を与える「変革」
になるのです。

これを意識づけるには、
各管理単位毎に「予算」を定義して、管理者が「予算」達成する
という意欲を持たせることに希求するのです。

真の意味で「やったら報われる」風土づくりなのです。

京セラさんは、この辺の教育が徹底していると聞いています。

私は、20年ほど前に勤務していたトヨタオート大阪で、
★「改善」x「システム」
で、この概念に近い「管理会計」を構築して、
「人肌主義」で現場改善を指導していました。


■「見える化」

しかし、「ABC/ABM管理」は、高級なシステムという訳ではなく、
自社のレベルに合わせて導入することが重要なのです。

必ずしもIT導入が必須というものではなく、
最初は、エクセルなどで計画、集計から入っても良いのです。

しかし、レベルUPすれば、必ず、IT導入になって行きます。

その為に、どのように「見える化」を進めるか?がポイントになります。

いきなり「できない変革」では、現場が混乱するだけです。

「できる」を念頭おいた段階的なシナリオを描くことが重要であり、
そして、トップの強い後押しで一歩ずつ「段階」を上がって行く
というのが望ましいのです。

「これなら出来る!」というレベルから入るのですが、
肝心なのは、
「PDCAのサイクルを回す」
というスパイラルUPを持続することなのです。

この秘訣は、「見えた」ことをトップが評価する、
すなわち、現場の気づきで改善したことを評価すること
だと言えます。

何のための「見える化」なのか?

それは、公平公正な評価で全員が「幸せ」になる事なのです。

IBMの指摘する「サービス部門(含む営業)の生産性向上」は、
私は、こんな経験に基づいたコンサルティングで進めています。

「見える化」は、「両刃の剣」なのです。

ひたすら、「見える化」のPDCAサイクルを回し続けると
実は「人づくり」になって、見えざる資産を大きく膨らませます。

「見える化」で「見えざる資産」を大きくしましょう。


■まとめ

・「サービス(含む営業)部門の生産性は、米国の半分」

・正味作業:実際に付加価値を生み出す作業
 付帯作業:正味作業に関連して出てくる作業
 ムダ作業:まったく付加価値につながらない作業
 
・「ABC/ABM管理」で「アメーバ経営」

・「改善」x「システム」で「人肌主義」

・「見える化」で「見えざる資産」を大きくする

 

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