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** AMIニュース 2007年 9月 9日 **
メールは、弊社のお客様に送っています。 Vol.27
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1.トピックス
今日(9月9日)は、暦的には「重陽の節句」と呼ばれています。
「なぜ、重陽なのか?」と言いますと、陰陽という学問では、
奇数が陽として取り扱われているのです。
本来は、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日
と「陽」が重なる日を節句としたのですが、
1月1日は元旦なので、1月7日が「人日」(ジンジツ)と呼ばれる節句で
「七草粥」として風習化されています。
「9」は、陽の数字の中で一番大きいので、大変めでたい日として
「陽」が重なるという意味で「重陽」となったのです。
また、「菊の節句」とも言われて、
菊の花を飾ったり酒を飲み交わしたりして祝った
そうであります。
最近では、99で「救急の日」との事です。
普段、「救急」という問題を余り意識していませんが、
奈良県の産婦人科
で「たらい回し」での事故などを聞くと
大阪という大都市に住んでいる有難さが分かります。
そう言えば、楽笑さんのカレンダーには、
「口は災いのもと いらん事いいなやぁ〜」
とあります。
「語るに落ちる」とも言いますが、人は、しゃべり始めると勢いがついて、
ついつい、言わずともよい事までも漏らしてしまうのです。
営業の極意は「訊き上手」と言いますが、
「誘い水」を向けて、お客様の本音を引き出す
という事が重要です。
私も職業柄「話」をする機会が多いのですが、
ついつい「本音」でズバリ迫るので、
お客様に自分の意図しない方向で「響いて」しまう
ことがあるのです。
「暗示」の本は、「ズバリ」よりも「匂わす」のが良い
との事ですが、そんな会話法を身につけたいと思っています。
☆「明るいビジネスネット」に掲載
https://www.akaruibn.com/presentop.jsp
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2.コラム:「目で見る管理」について(筆者:栩野 正喜)
■「目で見る管理」
皆さん、「目で見る管理」という言葉をご存じでしょうか?
工場にお勤めの方なら、一度は、お聞きになっていると思います。
現場の進行状況を把握する方法として
★ホワイトボードに作業計画を表示して
★その作業の進行具合をいろんな色の丸い磁石で表示する
という仕掛けです。
少し、カンタンな例をあげます。
(例)
xx月xx日 計画数 1 5 10 15 20
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
午前中計画数 17 ●●●●●●●●●●●●●●●●●
午後A計画数 12 ●●●●●●●●●●●●
午後B計画数 11 ●●○○○○○○○○○
<総計画数> 40
本日のタクトタイム10分
【終了予定】17時00分
注)上記の表がズレル場合、等幅フォントに設定してください。
上記の「進行管理板」は、10分タクトでメイン・ラインが流れて
午前中(9時〜12時)のうち、10分休憩を入れた計画で17台完成し
午後A(13時〜15時)は、休みなしで12台完成させ、
その後、10分休憩して
午後B(15時10分〜17時)の間に、11台完成させる計画であり、
15時30分現在、計画残9台であることを表しています。
注)●は完成を意味し、○は計画残を示している
この「進行管理板」は、実際、サラリーマン時代に、
新車整備工場の「JIT方式」導入時に、メイン・ラインの最終工程に
設置したものです。
一つ一つの丸は、個別のクルマ(製品)であることを示しており、
実際に、各営業所に配送するトレーラーが完成ライン前にやってくるので、
配送計画を加味してメイン・ラインの生産計画を組んでいます。
各クルマ(製品)には、サブ・ラインで組付ける部品があるので、
このメイン・ラインの計画を基本にして、サブ・ラインの計画を作成します。
「タクトタイム」とは、工程間を移動する時間を意味して、
各工程では、その時間をフルに活用するように「標準作業」を組み立てます。
この工場では、5工程のメイン・ラインがあり、
クルマが10分毎に「後工程」の作業者が引き取りにくる
仕掛けになっています。
この工場では、
午前10時20分から10分間と午後3時から10分間
の休憩があり、
1日のマックス計画数は、46台であり、
1ヶ月(22日)は、46x22=1,012台
を基本計画としていました。
例えば、1ヶ月の販売数が1,012台を超える場合もあり、
その解決策には
★残業時間を設定して吸収する
という方法をとるのですが、
この状態が長く続くならば、
★「タクトタイム」を短縮する
という計画変更を行うのです。
「タクトタイム」を10分から8分に短縮した場合、
10分x5工程=50分
50分÷8分=6工程あまり2分
となり、
★メイン・ラインは、6工程、かつ、どこかで2分の吸収
に変更する必要があります。
メイン・ラインを長くするには、工場のスペースの問題があるのですが、
この工場には、余裕が十分にありました。
しかも、幸いにも、第1工程が自動洗車機だったので、
「あまり2分」
をこの工程で吸収することが可能なので、
残り「4工程」の作業を新しく「5工程」に振り分けを行ない、
それぞれの「標準作業」を書き換えたのです。
因みに、このタクトタイム8分の場合、
1日の生産数は58台、1ヶ月は1,276台
となります。
よく生産計画がうまく進まない理由として
★「自社の工場がベルト・コンベアで流れ作業するようになっていない!」
という声を聞きますが、
★私は、ベルト・コンベアの代わりに「人」を配置して、
その役割を果たしていただく方式を提案しています。
実際に、この工場でも「人」が
駐車ヤードから該当のクルマを第1工程の洗車機に投入する作業を行い、
その帰りに、完成後のクルマを配車用ヤードに移動させる作業を行い、
さらに、サブ・ラインに供給するヤードにクルマを移動させる
という作業を行っていました。
この「人」が、計画がスムーズに進むように
「製品」や「部品」
を計画表に従って選択して「カンバン」つけて移動させたのです、
注)サブ・ラインは、自分で駐車ヤードから引き取りを行い、
自分の作業を行った後、メイン・ライン投入待ちヤードに移動させ、
次の作業の為のクルマを引き取る
というサイクリックな作業を行うように設計していました。
■営業の「目で見る管理」
「営業」は、会社を代表する重要な職種であること
はよく理解されていると思いますが、
その反面、「評価」という面で難しい要素が多々あるのも事実です。
自動車販売のように「個人」(BtoC)を対象にする営業ならば、
「実績」で評価しても大きな狂いはないのですが、
法人営業(BtoB)という世界では、リピートする事が「当然」なので、
先輩から引き継いだ会社が好調であれば、左程、努力せずとも「数字」になる
ということもあって「評価」を積極的にしない会社が多いのです。
このように、同じ悩みをもっているのですが、
あるお客様(ユニフォーム製造直販)で「目で見る管理」を取り入れて
上手に「評価」まで繋げておられますので、ご紹介いたします。
同社には大会議室があるのですが、びっくりする事に、
壁一面にお客様名を書いた(いろんな色の)紙が張ってあるのです。
どんな内容かと言いますと「ノミネート」した案件
★ある一定額以上の取引が見込める
★新規顧客の開拓もしくは既存客からの増アイテムの獲得
という2つの基準を満たすものなのです。
「ノミネート」ということで、
営業マンが商談を得た時に、今シーズンの受注が出来る
と判断した時に「自己申告」するのです。
この会議室では、朝礼も行われるので、
★この「ノミネート」を全員の前で披露して新しく「紙」を張るのと
★この「ノミネート」の中から受注できたものを披露して「バラ」を張る
という儀式をされています。
全員の前で「披露」というのは、
大変なプレッシャーがある反面、喜びも大きいものがあります。
さらに、素晴らしい点は、
この会社の若い営業マンがハキハキしていることです。
その一つの理由は、
この全体朝礼で「ノミネート」の時に、スピーチする
という習慣があることなのです。
「有言実行」を習慣化されているのです。
普通の会社では、「不言実行」になりやすいのですが、
●毎回、全員を前にして「ノミネート」を発表して意気込みを披露して
●受注時には、何かしらの金一封を頂く
というシステムになっています。
ソニー生命やリクルートと言った先端企業の朝礼風景と同じなのです。
「若い人が元気!」というのは、大きな財産なのです。
会議を行ってもドンドン発言が出るのです。
皆さんの会社でも、この方式を検討されては如何ですか?
営業マンの抵抗が大きいほど効果があると思います。
■「コンピュータを活用する」
コンピュータ処理が発達して、今時、手書きの納品書や請求書というのは
珍しいくらいになっており、大抵、いろんなデータが処理されて、
自動的に蓄積されています。
しかし、よく考えてみると
★請求書や経理資料をつくるという事後処理に留まっている会社と
★もっと営業活動面でSFA・CRMとして活用している会社
という風に2つに大別できます。
「見える化」という言葉が、
コンピュータの世界ではキーワードになっていますが、
実は、「事後」に「見える」ようになっても手遅れなのです。
私は、業務改善の専門家として、コンピュータの活用法で
★「フォロー」〜「見込み」〜受注〜「生産・仕入」〜納品・売上・回収
という各プロセスのうち「 」で囲んだ部分のシステム化が出来ていない
企業が多いことに驚いています。
もちろん、多くの企業で活用されているコンピュータ処理は、
★受注〜納品・売上・回収
という最低限のビジネス・プロセスを正確・スピーディ化するのであり、
「伝票処理」としての活用段階に留まっているのであります。
私は、「フォロー」や「見込み」・「生産・仕入」というプロセスで、
例えば、
営業では、「探客」(CRM)というフェーズで「情報」を活用したり
生産や仕入では、納期短縮(SCM)という面で「情報」を活用する
という点に着目している企業が伸びている事実に着目しているのです。
「事後処理」中心の会社では、殆ど蓄積したデータを活用されずにいます。
私は、このようなお客様には
顧客マスターと過去データで取引の状況を見ること
から指導しています。
例えば、
3ヶ月ゼロという異常事態になったお客様をコンピュータでアラームを出す
というシンプルな帳票を作って頂いています。
もう少し、コンピュータの技術力がある会社には、
前年と比較して、伸びているか否かも打ち出してもらっています。
まず、「売上」というまとまった単位で増減を見るのですが、
「アラーム」を発して「事実」を認識すことを重要視しているのです。
それではお客様への行動(アクション)が見えて来ないので、
ユニフォーム会社の事例のように
★新規開拓案件
★増アイテムで深耕案件
という2つの視点で、
さらに、細分化して具体的な解決策を打ち出す必要があるのです。
最終的には、RFM管理という手法があるのですが、
R:Recency(最近)
F:Frequency(頻度)
M:Monetary amount(金額)
という3つの視点で動向を見る手法なのです。
コンピュータを使えば、いろんな情報を自動的に作ってくれます。
その客観的なデータを営業部に提供するのです。
実際に、お客様との関係が「見える」ので、
管理職の方が、日頃、見落としている「顧客」
を発見するのに役立っています。
■「先行管理」としての「目で見る管理」
生産状況を示す「進行管理板」と
見込み案件の状況を示す「ノミネート板」
の2つの事例と
コンピュータによるアシストを書いて来ました。
ここで、一番重要なことは
「目標を達成するには、どのようにすれば良いかと考える」
という事なのです。
「進行管理板」は、作業の進み具合を教えてくれますし、
「ノミネート板」では、紙の色に工夫すれば、いつからあるのか
を教えてくれます。
すなわち、「実績」に追い込む仕掛けなのです。
よくある話なのですが、「先行管理」をしていますという会社でも
中身を見ますと
この案件は、いつから記載されているのですか?
という程、「数字合わせ」的になっているケースがあるのです。
極端に言えば、気配客(いつ買うか分からない客)に
引っ張り回されると状況を回避する必要があるのです。
私は、見込み度を
A:今月の実績になるとコミットする
B:来月の実績になるとコンファームする
C:その他
と3ランク分けて、Aは80%、Bは30%という係数で
★「売上予測」=実績値+Aの見込み金額x0.8+Bの見込み金額x0.3
としています。
人の特性からして「C:その他」の案件を根気良く追い続けるのは、
余程、AやBが少ない時にしかないと言えます。
誰しも「Aの今月の実績」で精一杯なのです。
「Bの来月の実績」という見込み案件でも、
お客様の都合で今月になる
というケースもあり得るのですが、
その反面、「来月」という油断で他社が入り込む「スキ」を作ってしまい、
ロストするケースもある危険性も含んでいるのです。
悲しいことですが、
誰かが「Bは、どうなっている?」と声をかける
事が必要なのです。
この役割を果たすのが「管理職」なのですが、
残念ながら、多くの場合、自分の成績もあって「言わない」のです。
事例にユニフォーム会社では、
「目で見る管理」(色別)x「全体朝礼」(毎週)
というシンプルな仕掛けで全員で声を掛け合っているのです。
確かに、コンピュータ処理は素晴らしいものがありますが、
このように中小中堅企業で「目で見る管理」を上手に経営システムに
取り入れて繁盛されているので、ご参考にされたいと思います。
■まとめ
・工場では「進行管理板」という「目で見る管理」から始まる
・ベルト・コンベアの役割を「人」で行う発想も重要である
・営業の「目で見る管理」は、「ノミネート」という仕掛けと一緒に
導入すると効果的である
・コンピュータを活用できる会社ほど成績がよい
・「先行管理」は、A:当月コミット、B:次月:コンファームの2つを
中心にして管理する。
・「気配客」で員数合わせしても意味がない。
★「売上予測」=実績値+Aの見込金額x0.8+Bの見込金額x0.3
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