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     ** AMIニュース 2007年 9月 2日 **

     メールは、弊社のお客様に送っています。 Vol.26

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1.トピックス

大阪もようやく脱「猛暑」という感じで、少し、凌ぎやすくなりましたが、
世界陸上を見ていると選手に相当なダメージを与えているようで、
レースの途中で脱落する姿が再三、見受けられるし、
棒高跳びでは、沢野選手は、満足に走る事ができずに「記録ゼロ」に終わる
という状況です。

それぞれの選手は、多くの期待を背負っているので、
レースや競技で全力を尽くせなかった
という無念の気持ちは大変なものがあると思います。

その中で、今日の女子マラソンは、感動のドラマでありました。

大会初日の男子マラソンは、尾方選手が2番手グループから終盤追い上げて、
一度は「3位が見えた」という状態から5位になったが、
今日の女子は、土佐選手が初めからトップに立ち、レースをリードしながらも、
正念場で一度は5位に下がったが、そこから、再度、粘って3位(銅メダル)
に入った。

「満を持して」3位狙いに行った尾方選手が心中に「3位が見えた」と思った
あとで抜かれたのと、常に、トップを狙ってレースをして、
正念場でズルっと5位まで引き落とされた逆境の後、
持ち前の根性を発揮して再チャレンジで3位を勝ち取った土佐選手、
この対比が良い勉強になりました。

今日のコラムでは「打てば響く」とテーマにしていますが、
その中で、マーケットの「引き潮」(逆境)に会いながら、
自助努力できる「戦略」で頑張っている当社のお客様をご紹介しています。

何か土佐選手に似た共通点を感じています。

さて、いつも楽笑さんのカレンダーには
「怒るより 利口でかわいい あほになれ 笑てなはれや〜」
とあります。

楽笑さんは、船場育ちの方なので、
商売人の「極意」が凝縮された言葉が多いですね。

「利口でかわいい あほになれ!」という事なのですが、
なかなか難しいことです。

これからも自分を磨いて生きたいと思います。

いつものように長文ですが、よろしくお願いします。

☆「明るいビジネスネット」に掲載
https://www.akaruibn.com/presentop.jsp

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2.コラム:「打てば響く」について(筆者:栩野 正喜)

■「打てば響く」

「ドーーン!」と太鼓を叩けば、皆が踊り出す
と言う状況を
「打てば響く」
と表現しています。

「人」は自分一人では生きていけない存在なので、
何らかのアクションをするのですが、
そのアクションに対するリアクションがあれば良いのですが、
リアクションないと大変「侘しい!」ものです。

これは、企業経営でも販促企画でも同じであります。

特に、販促企画では、何かしらの経費を注ぎ込んで実施するので、
それなりの反響を期待するのです。

例えば、最近では、携帯電話の競争が激化しており、
ドコモ、AU、ソフトバンクの3社の
CM合戦および半額という価格攻勢が激化しています。

この3社の中では、ドコモの苦戦が報じられており、
「打てば響く」という状態は、ソフトバンクのようであります。

ナンバー・ポータビリティという事が可能になり、
電話番号を変えることなく、
自由に電話会社を選ぶことが可能になったので、
「価格」という切口で攻めたソフトバンクが人気を集めているのです。

携帯電話の普及も「家族」という大きな単位になり
家族間では無料というサービスが成功しているのです。

この現象は、若い人に顕著であり
・自動車の若者離れ
・ゴルフなどの若者離れ
などという現象になっています。

これらの業界は、若者に迫ろうと
●トヨタはMR−Sの後継車種としてスバルと共同開発する
●ホンマゴルフは、若者向けのNewブランドで低価格商品を発売
などの戦略を取っています。

単純に価格に振るのでは
「180円ラーメン」が倒産して吉野屋の傘下に入るようですが、
「安い」だけの競争優位の結末が物語っている
ように本質的なアプローチが必要になります。

これらの事実から学ぶ必要があります。


■「引き潮」

現在の経済は、
●年金生活層が元気であり、若年層が元気でない
●東京一極集中で首都圏は元気があるが、その他は地盤沈下のまま
●一部上場企業などは好調であるが、その他は元気がない
●高級料亭や高級ホテルは元気であるが、その他は低価格競争で厳しい
などという2極化が顕著になっています。

特に、低価格競争による疲弊はガソリン・スタンドに見られるように
適応でない店の「空き」状態が多くなっています。

一部の「潤い」層と大多数の困窮化という構図で浮かび出る
マーケットの変動は、さらなる「引き潮」という方向で進んでいると言えます。

適切な例とは言えませんが、ネットカフェ難民の所得は
東京地区の平均は11万円だが、大阪地区の平均は8万円だそうです。

非正規雇用社員と呼ばれるパートやアルバイトおよび派遣社員の所得格差も
地域間で大きく違っています。

正社員と呼ばれる人たちでも年収の格差は大きいものがあります。

こんな中で、大阪は、まだまだ「引き潮」基調が蔓延しています。

ある街の旅行代理店の社長さんの話では、
数年前までは、シルバー族の海外旅行などで景気が良かったが、
最近は、その層の人が亡くなったりして、沈滞している
と嘆いておられました。

今、70歳以上のシルバー層は、退職金も年金も潤沢にもらえた幸運な方々で
年金だけでも若い人の収入を超える人々が多くおられるのですが、
この方々が、毎年、亡くなっていくのです。

その反面、団塊世代のリタイアが始まったのですが、年金という面では、
先輩たちに程遠い状態の給付水準に低下しています。

毎年、250万人という人数がリタイアするので「満ち潮」なのですが、
かつての世代に比較すると余裕資金が乏しく、
例えば、1泊2食で7,800円という風な格安温泉旅行
に客層がシフトしているのです。

しかも、新聞広告を見て、インターネットで申し込めるので、
街の旅行代理店が絡むチャンスがない!
という現状なのです。

対象となる人口は「満ち潮」なのだが、
自社のサービスが時流適応できないために「引き潮」状況
という相反する現象なのです。


■「引き潮」時の対応策

このように、マーケットにおける「引き潮」を書きましたが、
どのような対応策が良いのか?
という事が重要になります。

まず、商品と顧客の関係では、
1)既存商品で既存顧客に迫る
2)既存商品で新規顧客に迫る
3)新規商品で既存顧客に迫る
4)新規商品で新規顧客に迫る
という4つの組み合わせになります。

1)のケースは、「勝ち残り戦略」が必要なのですが、
ガソリンスタンドのようなローコスト・オペレーション化なのですが、
当社のお客様では、事例はゼロであります。

2)のケースとしては、
●木工業界の機械を「中古機」で好調なプラスチック業界に迫る
という当社のお客様があり、新規業界の知識を蓄積しながら、
着実に業績を伸ばし、新規業界での売上が5割を超えています。
当社は、Faxマーケティングとホームページで貢献しています。

3)のケースは、意外に難しいものがあります。
商品が、今までと余り違いすぎると社員さんも適応できない点や
いわゆる「風評」という懸念があるからです。

4)のケースとしては、
●ユニークな商品をFaxやホームページで告知して、新規客を獲得する
という「ねじ」業界のお客様があり、
加えて、「機械要素展」にも出展するという前向き姿勢で
大手のユーザーを獲得されている当社のお客様があり、
売上を約40%伸ばしておられます。
当社は、Faxマーケティングとホームページで貢献しています。

このように、意外に「既存顧客」への戦略が難しい面があります。

「80:20の法則」がありますが、
営業マンは、「商談」のある所にしか訪問していないというのが現実であり、
まだまだ「深耕」する余地は、十分に残っています。

ただ、厄介なことは「既存客」と応対する時に、
営業マンもお客様も「業界の常識」にドップリ「ハマり込んで」しまっていて、
脱常識的な言動よりも安易な常識でキズを舐め合う
という大きな問題点があるのです。

この「業界常識」を打ち破ることも大きなチャンスを生み出すのです。

私は、あるお客様で「小型電動サンダー」作戦をとって頂いて、
「既存顧客」総当りキャンペーンを行い、
同時に、状況調査を行って頂きました。

小額の機械なので「修理するよりは・・」という意識も手伝って、
即時販売で、2〜3台と購入するお客もあって、
意外に元気なお客様を再発見する効果がありました。

「引き潮」時の戦略は、
たしかに、「新規顧客」を攻める戦略で2社の事例を上げていますが、
本来は、思考回路を切り替えて、皆が「ダメ!」と思っているど真ん中に
一致団結して全員で、
★低価格
★消耗品
という2つのキーワードで総当りするのもポイントなのです。

ホントに、営業マンは放っておくと「行きやすい」ところにしか行かないと
いう事実を確信して「鬼」になって「戦略」を打ち出すことが大切です。


■ITの重要性

一時期「デジタル・デバイド」という言葉が流行しましたが、
先ほどの旅行代理店のIT活用状況は、良くてパソコンでEXCELで管理
という状況のようです。

「1泊2食7,800円」を企画運営する企業は、
自動的に、顧客データを蓄積してデータベース化する事により
「CRM」というソフト手法で個々の顧客の「顔」が分析できるようになり
「次の一手」を提案する
というデータベース・マーケティングが可能になるのです。

小さな旅行代理店では、社員とお客様の1対1な関係になりますが、
IT活用する企業では、データベースから顧客の「顔」を分析して、
客層毎に、スケール・メリットを活かした「商品」で、
しかも、「さり気ないオファー」で、
お客様を「最終ゴール」へリードして行けるのです。

この差は大きいものがあります。

ある社長さんは「情報は金を生まない」とおっしゃり、
システム投資を毛嫌いされていましたが、
「情報」を蓄積して、その中から「フィルター」をかけて絞り出す
という「戦略」的な視点が欠如しているのです。

この「フィルター」をかけるのを「見える化」と言いますが、、
★市場の動向を見るフィルター
★お客様の顔を見るフィルター
★社員の顔を見るフィルター
★商品の顔を見るフィルター
という風に設定するのです。

●「見えないものは改善のしようがない!」
と言うように「フィルター」を通して「顔」が見えてくるので、
「改善策」が見えてくるのです。

先ほどの旅行業界ならば、「お客様の顔」を層別して、
客層毎にグレード別商品を企画して、
社員さんにターゲット客に提案して頂く戦略も一案と思っています。


■「生の声」

このように、「打てば響く」にも奥深いものがあります。

特に、「引き潮」の時には、
先手々々と企画する事が重要であり、
タイミングがズレてしまうと潮が引いた後に「ターゲット」した感じ
になって「成果」につながらないのです。

「経験」を活かすという事が大切なのですが、
意外に「引き潮」の時には「経験」が活きないのです。

先ほど、
1)既存商品で既存顧客に迫る
3)新規商品で既存顧客に迫る
の2ケースは、意外に難しいと書きましたが、
旅行代理店の場合で書きましたように、
「既存顧客」がドンドン変化している
のですが、その変化に対応できないのが課題なのです。

「経験」だけに頼ると「KKD(経験・勘・度胸)」の世界になって、
客観性が欠けてしまい、微妙なズレが把握できないのです。

私は、「ディベイト」という手法を使って
★現状を肯定する側と
★現状を否定して未来志向で意見を述べる側
に分かれて自由に議論してもらうことで
「ズレ」を発見するキッカケを作っています。

現実には、いろいろとアドバイスしないとディベイトが進まないのですが、
ノリのよい人からは、結構、よいヒントを頂けるのです。

リクルートなどでは、
★トップセールスマンを「伝説の営業マン」と称えて、
そのサクセス・ストーリーをスピーチさせるという制度的手法で
ノウハウを共有化しているのですが、
多くの企業では、営業マンのノウハウを共有化する仕掛けがないのです。

この「ディベイト」では、各自の経験などが飛び出してくるので、
「経験を共有化する」という役目も同時に果たしています。

このような「生の声」から発見した「ズレ」を即実行できれば、
まだまだ、「打てば響く」という新鮮さがあるのです。

この「ディベイト」手法は、皆様も一度試して見る価値があると確信します。


■まとめ

・「価格」や「家族」という切口で成功したソフトバンク

・「引き潮」の時でも客観的になればチャンスを発見できる

・「見える化」をする為には、「フィルター」を設定する必要がある

・「ディベイト」手法で脱KKD!


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