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** AMIニュース 2007年 7月11日 **
当メールは、弊社のお客様に送っています。
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1.トピックス
大阪も梅雨というのが実感できるようになりました。
毎日のように降っています。
九州では集中豪雨の被害が起きていますので、何事もないことを
喜び感謝すべきなのでしょうね。
さて、私事ですが本日、58才の誕生日です。
こんな年になると誕生日と言ってもニフティなどから
誕生日メールが来るだけ
という感じです。
しかし、82才になる母から電話をもらって
「新しい出発と思って、気を引き締めて仕事しなさい」
と喝を入れてくれました。
ありがたいですね。
母にして見れば、幾つになっても「子供」なのかも知れません。
いつもの楽笑カレンダーには
「ままにならない 人の世は 思うようには いかんもん ほんまやな〜」
とあります。
母の言葉通り「新しい出発」と気合を入れ直さないと
「ままにならない」状況に押しつぶされそうになってしまいます。
まだまだ「現役」と気合を入れ直しました。
☆「明るいビジネスネット」に掲載
https://www.akaruibn.com/presentop.jsp
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2.コラム:「5つの視点」について(筆者:栩野 正喜)
6月20日号から、元ネタは:キョーセラの稲盛さんの著書ですが、
それを、私流に「5つの視点」名づけたものをご紹介しています。
この「5つの視点」は、
1.得意な事に集中しているか?
2.3つの最適化ができているか?
3.高い固定費でムダな事をしていないか?
4.人材育成が出来ているか?
5.3つ以上の価値ポイントがあるか?
です。
■4回目は、「人材育成が出来ているか?」です。
製造業で共通する言葉があります。
それは
「人づくり、物づくり」
という合言葉です。
ある製造業の部長さんが
「最近の若者は、考えなくなった」
と嘆いておられました。
ゲーム世代は、受身なのです。
指摘しないと何もしないのです。
「物」だけに着目していると「不良品」が出ていても
「○○個、つくりました」
という状況のようです。
「これは、アカン!とピンと来ない」と嘆いて
おられるのです。
■「考える」
どんな企業でも「人」と「モノ」があって、経済活動を行い
「金」
というものを産み出しているのです。
製造業ならば、「製品」というモノであり、
販売業ならば、「商品」というモノになり
その他ならば、「サービス」がモノになります。
この「モノ」が特別優秀なものであれば、
それこそ「飛ぶように」売れる
のですが、今時、そんな状況は滅多に起こるものではないのです。
どちらかと言うと何でも普及したものが多く、
「目新しさ」をどのようにメイクするかというアイデアが問われています。
こんな中で、製造業さんの「人づくり、物づくり」から学ぶことが
沢山あります。
前号で「埋没原価」という考え方をご紹介していますが、
これも基本の中に入るものです。
「ある物を創意工夫して使え!」
という視点です。
なんでも便利な機械がドンドン開発されて来るのですが、
「旧い今ある機械を使って残業して作れ」
が基本なのです。
そこに、いろんなアイデアが生まれるのです。
■月に1件
トヨタの改善提案は、全社員が月に1件ずつ出している勘定になる
との事です。
なぜ、トヨタではそんなに改善提案が出て、我々の会社では少ないのか
という自問が働くと思います。
社員の「やる気」と答えてしまえば、それまでだが、
同じような社員を抱えながら「差」が出るのは、「なぜ」なのだろうか?
ここに「人材育成」の隠れたポイントがあるのです。
カンタンに「掃除」をするとすれば、
・何にも言わずにモクモクと掃除をする人
・やる気がなくて、掃除に参加しているだけの人
・掃除のやり方や道具に工夫する人
・その他
と言う風に分かれるものです。
ここで「大切」なポイントは
「掃除のやり方や道具に工夫する人」
の存在なのです。
現状に満足せずに「考える」という工夫が入るのです。
そういう人たちがトヨタでは月に1件提案を出す「風土」を作っている
のです。
コンピュータや機械を使うと自動化されたり、スピードUPされたり
するので、作業する人が考えなくなているのです。
この「考えない」状況を危惧されているのです。
■工場の10年先は、若い人に聞け
人の「やる気」という問題は、今までも、
「レンガ積みの法則」と「マズローの欲求5段階説」
を例にご紹介して来ました。
「やる気」が上がれば、生産性が約3倍に跳ね上がったり、
人間性も高まって「職位」も上がって行くものなのです。
従って、「やる気」が最重要課題と言えます。
よく
「トヨタは乾いた手ぬぐいを絞る」
と言われますが、
「知恵」も同じだと考えているのです。
改善提案が全社員が月1件のペースで出しているとご紹介していますが、
その「秘訣」は、どこにあるのでしょうか?
そのヒントの1つとして
「工場の10年先は、若い人に聞け」
という言葉があります。
トヨタには「7人の友人をつくれ」という伝統があります。
同じ職場での友人も大切なのですが、
工場や職場の違う人との交流を重要視しているのです。。
日頃、顔を合わさない者同士が、交流することで「夢」を語り合う場が
インフォーマルな形で出来ているのです。
このインフォーマルな交流の場で、
異質な体験が交流するので相互に「刺激」が生まれるのです。
そんな刺激が生じる仲間を「7人」持てと教えるのです。
これは、大手の製造業では、多くの会社で実践されているようです。
「刺激」があるから「さらなる改善」という意欲が生まれるのです。
普通の会社なら「ギリ」で提案するので、
すぐにアイデアが「枯れて」しまうのです。
堀場製作所は「おもしろ、おかしく」を経営理念に掲げていますが、
「仕事が楽しい」という状態を保つのがポイントで各社で特長があります。
公の行事よりもインフォーマル(最近は、チャットも活用されている)な
交流で相互に刺激し合っているようです。
この刺激が「夢」を抱かせるようになり
「工場の10年先は、若い人に聞け」
という言葉になるのです。
■サンプリング法で「社風」を読む
現実にお客様と接していると
「愚痴」
があるうちは大丈夫と思っています。
「やる気」がなくなったら「愚痴」すら出なくなるのです。
日報などを見ると「やる気」が如実に表れるものです。
しかし、初対面では「日報」などの資料を見ることができないので、
自分の目で観察することになります。
その方法には、「サンプリング法」と「自分の経験」を尺度にして
咄嗟に判断するものです。
「サンプリング法」は、
ある瞬間の状態を計量化して判断する、
これを何回か繰り返すと正しくなってくる
というモノです。
「人」の観察ですから
・表情
・声のトーン
・行動
・姿
などを見るのです。
個々の人では、その時の状況(現場の体温)も見えますし、
職場の雰囲気なども見えて来ます。
現場は、「トップの鏡」と言いますが、
「人材育成」が進んでいる会社ほど「金太郎飴」状態になるのですが、
例えば、IBMカラーという風に、
共通したスタイルで、安心できるものです。
この「社風」(カラー)を読み取る事が大切なのです。
トップと現場の両方を見れれば、ほぼ間違いなく読み取れるようになるので、
社長さんに早くお会して、インタビューする事がキーになります。
何故、サンプリング法なのかと言いますと
人には残念ながら「頭」で答えるという習性がありますので、
実際のインタビューでは、頭で回答されるので、本当の姿が見えない
のです。
特に「求心力」という言葉がありますが、
その強さを検証するには、現場から読み取るしかないのです。
この観察からキーマンを見つけるようにしています。
■「敵地に入り込む」
あるお客様が「コンサルは敵地に入り込む」という認識が必要だと
教えてくださったのですが、
この意見がズシリと響くことがあります。
「敵地とはさびしいですね」
と答えたのですが、
社名のAMIはフランス語で「仲間」という意味なので、
もっと社員さんを信じたいと思っています。
「鏡の法則」と言いますが、
自分に経験のないものは、見えない(思いつかない)
のです。
私自身の弱点は、
コンサルは、トップからの依頼ですから、
a great mind goes alike.
(大志は、似てくる)
という信念で接する事で、、
実は、「面従背腹」という「オトナ」に騙され易いのです。
AMIの精神で「仲間」として接して行きたいのですが、
その姿勢を逆に利用されるケースもあるのです。
こんな状態を回避するには、
多くの方とコミュニケーションする必要があるのです。
私は、出来るだけ現場の人を巻き込むように配慮して、
「4つの般若」(禅の教え)
1)布施・・自分で出来ることは惜しまない
2)愛語・・相手を思って話しかける
3)同事・・相手と同じ悩みを共有する
4)利行・・相手のお役に立つ
を心がけて
若い人たちとも対等な感覚でコミュニケーションをとるように
しています。
■「夢を肴に」法
私が、「社風」の次に注意している点は、
「ソフト」化
という点です。
人材育成には、「社風」と「ソフト化」の2点が重要と考えています。
「社風」は、「求心力」の度合いを表し、統率力・徹底力に影響しますので、
タテのベクトルの強さを表します。
「ソフト化」は、横のベクトルなのです。
人材育成として見た場合、
・社歴や理念の伝承
・経験や情報の共有化
・教育訓練
・システム化
・マニュアル化
などと幅広いものが必要になるのです。
これらがシステマチックになると「ソフト」となってモノ化されるのです。
「教育」の問題には、バスタブ効果と言われるように
ちょっとの教育では、効果が出ても3日も持続しないのです。
私が「夢を肴に」法と名づけて実施するのは、
トヨタや大手企業が交流という場で、個人に刺激を与えるように
「夢を肴に」法でブレーン・ストーミングすることで、
各人の考えていることを披露し合うことで「刺激」を与え合うのです。
■「期待」を語ることで「暗示」にかけよう
「10年後の職場?」という質問に即答できる人は少ないと思います。
しかし、インフォーマルな集まりで自分の「夢」を語ることで「仲間」が
生まれて、相互に、援助し合うようになるのです。
「夢」を語るから、他人が援助できるのです。
5月25日の当メール・ニュースに
「夢は人を育て 夢は社会をつくり 夢は心を豊かにする 夢をもちなはれや〜」
という楽笑カレンダーのメッセージをご紹介しています。
まさに、この通りと思うのです。
「夢」は人を育て
「夢」は社会をつくり
「夢」は心を豊かにする
「夢」をもちなはれや〜
なのです。
「リーダー」の大きな機能は「人」を育てることにある
とすれば、背中で語るのもよい方法ですが、
今時は、コミュニケーションで若い人に「期待」という「暗示」をかけて
「やる気」
に迫ることが大切です。
「君に頼みたいことがある」
という魔法の言葉を使ってみてください。
きっと、大きなシナジー(相乗効果)となって返ってきます。
■まとめ
・「人づくり、物づくり」は「考える」風土づくり
・「7人の友達をつくる」の媒体であるインフォーマルな交流の場が、
相互に「刺激」して改善パワーになる
・「10年先は、若い人に聞け」
若い人が「愚痴」も言わなくなったら職場は死んでしまう
・「夢を肴に」法で、ブレーン・ストーミング。
ドンドン発散する思考回路に導くことが大切だ
・「君に頼みたいことがある」という魔法の言葉で
若い人の「夢」を大きく育てよう
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