<月刊AMI>2003年5月号 Vol.23 ■△▽●○□

1.最近感じること・・障子を開けよ、外は広い


この「障子を開けよ、外は広い」という言葉は、豊田自動織機の創業者豊田佐吉翁が息子の喜一郎氏(トヨタ自動車の創業者)に贈った言葉として知られています。サラリーマン時代は、強いトヨタ陣営に居たので、この言葉を聞いてはいましたが、本当に世間知らずだったと思います。今、コンサルタントとして独立して見ると本当に世間は広いなぁと痛感しています。

ひとつの会社で一生を全うするのも幸せなことだと思いますが、小生のように企業から飛び出して広くお客様と接して行くのも「道」ではないかと思います。小生の「信条」は「形は心を動かす」ですが、これは、前職の福井社長から「クルマが売れるシステムをつくる」という生涯の大命題をもらった事から生まれたものです。クルマを売るには、お客様に「情報」を発信するという手法でシステム化していました。その「情報」の中心が「モノ」化した情報だった訳です。

今、コンサルタントとして仕事をしていますが、当時の「クルマ」というモノからお客様の色んな商品にモノが変わっただけであります。売るということの原理・原則は同じであります。得意の「企画」を中心にコンテンツとシステムおよびシナリオを通してお客様に役立っています。当初は、Faxを使ったマーケティングから始まり、「ちらし」やDMにも、Webやメールにも、そして、テレマーケティングへと進んでいます。本当に「世界は広い!」と実感します。世界に目を開けて、広く情報を入手して「技術・ノウハウ・商品」を磨きお客様に貢献して行きたいと思います。

2.ちょっと役に立つヒント!・・「第3の波」

12年前の「湾岸戦争」は、茶の間で戦争を見るセンセーショナルなものでした。この時、米軍はスマート兵器を大量に投入しました。誘導爆弾が目標物に吸い込まれるシーンやスカッド・ミサイルをパトリオットが迎撃する中で、「ピンポイント」や「100発100中」と言う言葉が大流行しました。いま、イラク戦争が終結に向かいつつありますが、そんな言葉を思い出しました。

この時、A.トフラーは、この戦争を取材して「第3の波」という著書を出しました。これは、パワーの変遷を表したもので、

「第1の波」は、自然を相手にしていた時代は「農業」であり、若干の「資本」というものがパワーが台頭しました。

「第2の波」は、資本が成長して「工業」や「商業」へと発展し新しい「パワー」となった訳です。トヨタや日生やハード時代のIBMや富士通などはその代表格です。

「第3の波」は、IT関連が発展してPCの普及とインターネットや携帯電話などの発展がそれに当たります。NTTドコモは本体のNTTを凌ぐ存在になり、また、アマゾンドットコムや楽天、ヤフーなどもそれですし、GPSを使ったNAVIもそれです。「情報」というものを多角的にとらえて、新しいビジネスが生まれている訳です。まさに「情報を征するものは市場を征する」という言葉が威力を発揮しています。


しかしながら、「第3の波」は、それ単独ではまだまだ真の「パワー」とは呼べない状況です。今回の「イラク戦争」でもハイテク兵器が多用されていますが、やはり、制圧するのは「地上軍」の戦車を中心とする「人海戦術」の面が重要であった訳です。このように「第3の波」は直接のパワーとして、心許ない面があります。

これをビジネスに置き換えて見ても、SFAなどIT関連のソリューションが開発されていますが、「フェースTOフェース」の対人折衝の面が残ります。確かに、絞り込み段階では「IT」を大いに活用すべきですが、体温の温もりが伝わらないので「間違い」が生じ、チャンス・ロスを引き起こす可能性があります。

当社は、「Isis」(アイシス:エジプトの豊作の女神)というトータル営業支援システムを開発しています。「第3の波」である「IT」を活用しようと言うものであります。もちろん、システムだけで「豊作」をメイクすると言うものではなく、システムとマンパワーのシナジー(相乗効果)を高めるものを目指しています。ご期待ください。

3.さいごに・・「而立」

「一日不作、一日不食」という言葉は有名なので、皆さんもよくご存知の事と思います。現在に当てはめてみると「自分の食い扶持は自分で稼げ!」となるでしょうか。

ともかく、デフレで景気が悪い中、サラリーマン諸氏には「耳が痛い」事であります。不思議な事に稼げてない人から自ら減収の申し出はないのが通例です。会社が赤字なのに何かを始める訳でもありません。

また、気持ちはあるのでしょうが、やらないで済む理由を上手に見つけています。中には、平気で上司のせいにする人がいます。その中には、幹部と呼ばれる人もいるので始末に困る訳です。「ピンチはチャンス!」というように、今は、既存の事に縛られずに「新しい事」にチャレンジする絶好のチャンスなのです。「一本の道」に見える事柄であれば、リスクを犯してもチャレンジする「気概」が必要です。
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