<月刊AMI>2003年1月号 Vol.19 ■△▽●○□

1.最近感じること・・「新年に思う」


「株価」や「円」の動きを見ていると、今後、さらに先行きが下り坂である事が誰の目にもハッキリして来ています。20世紀に発展した「経済理論」のいずれも通用しなくなるほどの「デフレ圧力」です。89年の「ベルリンの壁」が崩壊したのと同時に「バブル」が弾けて10数年の下り坂であり、グローバルな環境は日本に「不利」な状況が続いて、さらに、国際的な負担を背負い込む結果となっています。国内は「リーダー」不在の為にさらに混迷度が増してきています。

このような中、新年を迎えるに当たって、皆様も色んな「抱負」をもっておられる事と思います。当社は、昨年、いろんな面でスリム化してスッキリした状態にしましたので、「気分一新」して攻めるだけという状態になっています。「少数精鋭」という言葉がピッタリの状態であり、文字通り「反転攻勢」しか他に道はありません。

信玄公の「風林火山」のようにチャンス到来まで、じっくり「体力」「技術」を蓄え、「機」が熟すのを待ち、チャンスに一気呵成に動くことが重要です。こんな時には、自社の「逸品」を何か明確化しすることです。何もかもという「複雑雑多」な状態ではなく、「シンプル」が一番です。「逸品」を決めて、単純に「売上」を伸ばす事に形振り構わず邁進することに限ります。既存というインフラを守りながら、新規顧客を「炙り出す」努力が重要です。

当社は「Faxちらし・3段活用マーケティング」が売りの会社です。この自らの実践でノウハウを蓄積して来ています。これを深めて「創造」を促進する「手順・ツール・トーク」を身につけて行きます。

2.ちょっと役に立つヒント!・・「Fifth Wheel」

これは「危機管理」の言葉です。車の5番目のタイヤと言う意味で、具体的にはスペア・タイヤの事です。最近は道路とタイヤの性能がよくなって余り出番がない存在になり「テンポラリー・タイヤ」という形で応急用が用意されています。

昔は、4本のタイヤと同じタイプが用意されていて、交換してそのまま乗れるようになっていました。また、パンクしたタイヤはすぐに修理したものでした。今では、チューブレス・タイヤが標準なのでパンクしていても急激な変化は起こりにくく、小生などは20数年ほど、路上でパンクの為にタイヤ交換したことがありません。その為に、もう「応急タイヤ」がどんな状態であるか日頃注意しなくなっています。

このような事は一般にいろんな場面にあります。例えば、よい人間関係が続いていると「騙される」という警戒感がなくなります。今まで順調であれば、これからも順調に推移すると思いたくなります。
しかしながら、「災難は忘れた時にくる」というように、順調なうちに身の周りの「まさか」を点検しておく事が重要です。特に、人間関係の事象はアナログ的に徐々に現れるというのではなく、デジタル的にある日突然現れるものであります。
この突然に起こる現象に対して、慌てる事なく対応するには平素の「準備」が不可欠になります。

Man of Crisis(危機の人)という言葉でありますが、慌てることなく優先順位を的確に判断して対処するには、肝っ玉の大きさも重要です。しかし、それは平素の準備があって初めてできるものです。もちろん、体験しない事は「見えない」というものですが、疑似体験を通して「見える」状態を作っておく事が大切です。
例えば、「消防訓練」のように、皆さんの身の回りの事象を点検して「まさか」を想定して対応策を検討しておきましょう。

3.さいごに・・「温故知新」

小泉首相が田中真紀子さんに薦めたので有名になった佐藤一斎「重職の心得」という本があります。アメリカナイズした田中さんに日本古来の「心得」をわきまえるように促したのであります。20世紀は敗戦後「繁栄」を繰り返してきました。経営の手法も多くはアメリカの手法を輸入したものが多くありました。「模倣」の日本であります。10数年前に、追いつけ追い越せの目標であったアメリカを追い越した時に、バブルの崩壊が始まり浮ついた足元から地面がなくなった状況になります。「不作為の罪」という言葉が浮上していますが、宙に浮いた状態では何も有効な手だてができなったのであります。歴史的な認識はさておき、当面、「下り坂」と覚悟すれば「自分の升」で経営することが急務であります。冒頭の「重職の心得」は幕末時に書かれたもので、サラリーマン・幹部社員・重役に共通するアドバイスが一杯書かれてあり「経営」の基本を再確認できるものであります。是非、皆さんもお読みなる事をお薦めいたします。