<月刊AMI>2002年6月号 Vol.12 ■△▽●○□

1.最近感じること・・「底入れ宣言」について

政府は、5月中旬に「底入れ宣言」を行いました。その事に関して、マスコミは「今後は、今より悪くならないと意味しており、景気が上向くか否かは分からない」とコメントするケースが多かったようであります。無難なコメントは気楽でいいなというのが率直な感想です。

さて、まず「底入れ」を素直に受け止めて見ようと思います。これ以上、景気が悪くならないならば、デフレは収束すると考えられます。その結果、例えば、住宅で言えば「今が買い時」という風に積極的な判断が生じて来ます。実際に、パソコンでは値上がり現象が出ているようであります。ガソリンも少し高騰して来ているようです。順に、このような現象が生じて景気が反転して行くようであります。

三洋が輸入する中国製の家電も国産との価格差を縮小させたようであります。輸入に影響を与える要因には為替レートもありますが、130円前後から140円へシフトするには、輸出企業の協力が必要であります。概ね、大手メーカーは海外生産化が進んでいるので、米国や東南アジアの景気がよくなっても以前のように輸出ドライブがかからないと予測でき、円高にシフトする要素が少ないと期待できます。

このような「均衡」ができれば、日本経済再生の新しいシナリオが確立すると思います。小生の考えでは、景気拡大というエネルギーは大きくなく、失業率も欧米並みの5〜10%台、そして、賃金格差も大きくなると推測しています。バブル時代のように、高級車を乗り回すような「夢」は捨てた方がよいように思っています。



2.ちょっと役に立つヒント!・・PR効果の10倍化について

当社のメイン・コンサルティング理念は「形は心を動かす!」であります。小売業であれば、ちらしを活用いたしますし、メーカーや卸売業では「FAXちらし」を活用いたします。

これは、セミナーで何度も強調してきた事ですが、「FAXちらし」は忘れた頃にレスポンスがあるという事実であります。最近も、あるお客様から「おととしのFAXで電話問合せが来た」というお話がありました。FAX送信した時に関心を持ったのだが、その時にはニーズとして顕在化せずにファイルされていたケースに多くも見られます。私どもは、「効果10倍」という事を申し上げます。FAXによってアクションに移す人たちより、関心を持ったがアクションに移れない人が10倍存在するという事であります。

実際にFAXして見ると思ったよりレスポンスが悪いケースに遭遇いたします。これは、その時にレスポンスできた人の数なので、その10倍潜在客が潜んでいるという事を適応して見ますと仮に1人しかレスポンスがなかった場合でも、電話フォローして見ると10名くらいは見込み客として浮かび上がってくる事が分かります。私どもは、これを何度も経験しています。

刷り込み効果とも言いますが、情報は関心というフィルターを通して頭脳な中に染み込みます。多くの場合、即効果を求める余り「ちらし」の効果測定を短期間で見る傾向があります。しかし、頭脳に刷り込まれた情報は必ず蓄積されて「潜在化」して次のトリガーで顕在化する訳であります。

広告の難しさがそこにあると思っています。決してムダではないと確信して継続すれば、情報No.1となって次のアクションでゲットできるものであります。

短期評価は一番重要な要素ですが、長期的な視野に立って評価することも判断力の大きな要素であると確信しています。



3.さいごに・・Action is innovation!

皆さんの会社でも「収益計画」を作成されていると思います。しかし、一番重要なのは各自が「困った状態」を認識した時に、その状態から脱出するシナリオを描くことであります。
船井先生は、人材化について「1:1.6:1.62の法則」を唱えていらっしゃいます。単純に作業する人の能率を1とすると納得して作業すれば1.6、参画して作業すれば2.56倍の能率を発揮するというものであります。各自が自分で書けば、2.56倍になる訳であります。

ところが、一般の方は困っても「収益計画」を練り直すことができないのであります。困ったと認識しても何も変革できずに、そのまま、ズルズルと時間を流してしまうケースが殆どであります。
これは、経験の有無には関係がないようであります。よくセミナーで営業の7不思議」と題してお話する中に「営業部から困った状態になっても変革は起こらない」という大変失礼な話があります。つまり、立場ではなく個人の資質に依存する要素が大きいものであります。

何とかせねばと分かりながら、解決策が思い浮かばないなら仕方がないけれども、それが見えていても行動に移せない方も多くいらっしゃいます。
そのまま、ズルズルしていても仕方がないのに新しい事をする「結果」が怖いようでもあります。
もっと気楽な感覚でアクションすれば、その結果、何らかの結果が出て次の手も見えてくるものでありますが、その第1歩を踏み出せないようであります。「Action is innovation!」の通りであります。

月刊AMIトップへ