<月刊AMI>2018年1月号 Vol.197 ■△▽●○□


1.「one for all , all for one」


 明けましておめでとうございます。
平成も30年を迎え、天皇陛下は来年4月末に退位され、皇太子殿下が即位され元号が変わる事が決まっています。
「元号」は、その時代を表す物と言われ、「明治」は江戸幕府から権力を奪還して立憲君主で国造りをしたと言われ、「大正」はデモクラシーが起こりかけたが軍の勢いがまして「昭和」に入って戦争へ突入し、敗戦後、アメリカの指導で民主主義へ模索し経済回復を果たし、「平成」は一節によると「平和に成る」という思いを込められたようですが、平和との引き換えに長いデフレが続き出口の見えない状況が続いています。
次の「元号」では、どのような時代になるか楽しみです。


右掲は、「one for all , all for one」という言葉をネットで調べた所、最初に出て来た解説です。
ドイツの保険学者が「一人は万人の為に、万人は一人の為に」と言うのは、保険という性格を考えると、ある程度、理解できます。
「マーネス(1877‐1963)が《保険論》(1905)で提唱した,保険の目的を経済入用(必要)の充足であるとした〈入用充足説〉は今でも有力な保険学説の一つとなっています。
また「万人のための一人,一人のための万人」という言葉を保険の精神であると説き,これは後に多くの保険学者が引用した有名な言葉となった。」とあり、保険の「相互扶助」精神として理解できる物があります。

 私は、次の時代こそ「one for all , all for one」だと考えています。
ラグビーの世界では「all for one」の‘one’は「人」ではなく「目的」を指しており、「一つの目的の為に万人が結束する」という風に使われているのです。
ラグビーの目的は、眼前のゴールであり、その積み重ねでもたらされる勝利、しいては「優勝」という事に繋がっています。
全員の「夢」を「優勝」に一本化する事で組織のパワーが引き出されるのです。
実際に、万年下部リーグに甘んじていたチームが、優秀なキャプテンが「夢」を「優勝」に一本化して全員の練習態度が変わって上位リーグに昇格した例があります。

 つまり、皆様の‘one’はどんな「夢」なのか、その皆の「夢」を集約して一本化する事で5年先10年先の世界が変わって来ると確信しています。
2025年の100周年を迎える訳ですから、その時にどんな風でありたいかという「夢」を共有するのが良いと考えます。
長いようでも僅か7年後の話なのです。
その「夢」を実現しようと皆で決意すれば、ベクトルが一本化して強い「矢」が出来るのです。
アベノミクスは「3本の矢」でしたが、皆さんは何本の矢でしょうか。
「お客様」という矢、「商品」という矢、「自分」という矢・・と何本も考えられます。

 幸いにも一昨年から外部の指導を受けて、お客様への見方が変わり「採算性」を皆で意識し始めました。
一人の時間は限られているので「採算性」の高いお客様へ注力する必要があります。
注文が欲しいからと言って卑屈になる必要はなく、自分たちの条件を共有できるお客様へパワーシフトする事が大切です。
同じように、仕入先も価格に合わせるのではなく「品質」という面で一定水準を守りたいものと考えます。
この結果、「一人は全体の為に、万人は一つの目的の為に」が実現されて、体質が強靭化して行きます。
この経営体質の強靭化があってこそ、「人」への還元が多くなるのです。
すばらしい生活は「強靭な経営体質」の実現がベースなのです。

 さぁ、皆さん、2025年の自分の姿を思い浮かべましょう。
その「姿」に向かって邁進して、日夜、現実の取引を繰り返しながら、お客様の相を変えて行きましょう。
その「相」にあった社内体制を構築して行きましょう。
きっと、素晴らしい100周年を迎える事ができると確信します。


2.最後に
 「one for all , all for one」という言葉は、素晴らしい言葉ですが、最後の‘one’は使い方によって変わる物です。
ラグビー界の「目的」という使い方を知り、昔からある「一枚岩の燃える集団」という言葉が蘇りました。
「一枚岩」にも「目的」という収束する物が必要です。
このように用いると本当に素晴らしい言葉になりますね。実感します。


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