<月刊AMI>2017年9月号 Vol.193 ■△▽●○□


1.「唇に歌をもて、心に太陽をもて」に学ぶ



 私は、8月号のFさんの記事で表題の言葉がビビッと心に響きました。
Fさんの文脈から推測すると大学生の若さから思い出された言葉のように思います。
私も満68才になって「老い」との戦いになっているのですが、「心の若さ」の面でギャップを感じて、ビビッと感じたのだと思うのです。
そこで、最初に思い出したのが、右掲の「歌を忘れたカナリア」という唱歌です。
「後ろの山に捨てましょか」という件(くだり)が印象的です。
若い人には聞き覚えがないかも知れませんが、結構、意味深い歌です。
カナリアがさえずりをしなくなったら、カナリアではなくなってしまうので捨ててしまおうかとなるのです。
「小籔に埋(い)けましょうか」、「柳の鞭でぶちましょか」と厳しい言葉が続きますが、居場所(象牙の舟に銀のかい)をつくってあげれば、歌を思い出すという言葉で締めくくっています。
このように重要な意味を含んでいます。私は、「歌」を「自分の一番商品」と置き換えたのです。
「自分の一番商品」を忘れてしまったら、どうなるのでしょうかという事です。
私は、満68才、多くの人は現役を引退してシルバー生活に入っておられますが、私もそうなら、きっと、「歌を忘れたカナリア」になって、つまらない寂しい毎日を過ごすのではないかと思うのです。
そうならないように、自らを若く保つ努力も必要ですし、若い人とのギャップを埋める努力が重要になるのです。

 確かに、「唇に歌を、心に太陽を」という事が大切なのですが、まず、「歌」(自分の一番商品)を歌っているかがキーなのです。
自分の一番商品を口に出してアピールできる内は、心も健全であると思うし、「太陽」とあるように周囲の方を明るく温かく包む事が出来るのです。
皆さんは、最近、どんな風な事を口にしていますか。
自分の一番商品を歌っているでしょうか。
お客様からの注文をこなしているだけに終わっていないでしょうか。
受け身では余り楽しくはないと思います。自分から仕掛けて「一番商品」をお薦めして喜んでもらえる喜びを忘れていないかと案じます。

 西条八十は「居心地」をつくると言ったのですが、「一番商品」をお薦めする姿は「人の役に立っている」を実感するものであり、苦労はありますが「やり甲斐」を感じる物になると言えるのです。
この「やり甲斐」こそが、心に響いて、自ずから笑顔で他人と接する事ができて、お客様との関係性(居心地)ができるのです。
すなわち、居心地ができれば、「笑顔」≒「心に太陽」になれるのです。「笑顔」は重要なキーワードです。
「○○さんのお世話をした」とか「○○さんのお役に立った」という実感を味わっているでしょうか。
これがないと「仕事を楽しむ」という状況から外れて行くのです。
「楽しくなければ、仕事ではない」、すなわち、「心に太陽を」という心境から遠のくのです。
「人は他人の役に立ってこそ存在感が生まれる」のです。
そして、「存在感」があるから「太陽」のように周囲を温かく包みこめるのです。

 「唇に歌をもて、心に太陽をもて」という一節が心に響いて、自分なりに「歌」=「自分の一番商品」と置き換えて考えました。
まだまだ、深い意味があるかも知れませんが、他人との間に「居心地」(心理学的にはラポール)が出来てこそ楽しいのです。
そうでないと寂しい人生です。
ぜひ、「自分の一番商品」を見出して、お客様との関係性で「居心地」を実感して頂きたいと思います。


2.最後に
 「唇に歌を、心に太陽を」と心に刻み込んで行きたいと思います。
「歌」の解釈は前述もありますが、私にとっては、純然たる「歌」もあります。
最近、近所の老人会に入ってカラオケを楽しんでいますし、お客様ともカラオケを楽しむようにしています。
「歌」を通して自分を知って頂き、これからの居場所を作って行きたいと思っています。


月刊AMIトップへ