<月刊AMI>2017年7月号 Vol.191 ■△▽●○□


1.「曇り時々晴れ」


 私は、この7月11日に満68才になりますが、残念な事に妻に先立たれて3年半が過ぎました。この期間を振り返ってみると大きく変わった事の一つがドライブに行かなくなった事であります。
妻が存命の時は、休日などにイケアやニトリなどに出かけたりして、よく仕事以外でクルマを使っていたのですが、妻が亡くなってからは一人でドライブに出る事がなくなったのです。
仕事でも電車を使うようになっているので走行距離は余り伸びなくなっています。


 しかし、元来、私はクルマが好きなのでサラリーマン時代から右掲のようなコースのドライブを楽しんでいたのです。
妻も好きで一緒に行き、農協の販売所などに立ち寄って買い物を楽しんでいたのです。
このコースは自宅から富田林方面に309号線を南下して竹之内街道で二上山を通り抜けて奈良県側に入り、県道30号線を葛城市から葛城金剛山脈の麓に沿って走ります。
この道は信号が少なく、かつ、アップダウンもあり普段味わえないドライブが楽しめるのです。
カーナビに従って橋本市へ行き、そこから根来寺を目当てにクルマを走らせ風吹峠から帰阪で臨海線を走って帰ると高速代が不要で約4時間のドライブが楽しめたのです。

 地図に示した赤線のコースなのですが、最近、カーナビを新しくしたので地図情報が最新になり、橋本市から京奈和道が国道24号線になっていることを案内してくれて新発見をしたのです。
そして、岩出から赤の点線区間が有料なのですが、これを経由して近畿自動車道を走って長原ICまで走り帰ったのです。
約170kmを3時間程度で走ったのです。
一人になってドライブが億劫になっていたのですが、新しいカーナビが新発見をしてくれたので、アップダウンのある県道を走り、さらに、高速道路でスピード(制限速度遵守)を出すドライブの醍醐味を思い出したのです。
また、途中で妻と立ち寄った喫茶店や農協の販売所で懐かしい思い出が蘇っています。

 こんな事から、40年ほど前に京都の亀岡にあるお寺にお参りした事を思い出し、そのお寺に「曇り時々晴れ」という言葉あって強烈な印象を受けた事が蘇ったのです。
人生は曇りの日々が続く方が安寧で良いのです。
風雨や荒天などにならない方がよく、晴れではなく曇天の下で黙々と働くのが基本で、たまに晴れの日をつくって心に栄養を与えようという教えだったのです。

 今、68才になり、妻に先立たれ、子供たちも自立した状況になり、人生初の一人生活が始まったのです。
私は、幸いにも経営コンサルタントとして22年前に独立開業していますので定年がないのです。
また、小さいながら事務所を持っており、毎朝、約600mの距離を通勤しているのです。
その通勤時に喫茶店に立ち寄ってモーニング・サービスを頂いて雑談などをして気分を整えて出社しているのです。
社員を雇っていた時もあったので、この習慣が気分のコントロールに大いに役立っていたのです。
つまり、「晴れ」の状態でスタートを切る事が可能になる習慣だったのです。

 もちろん、1日は長いし、お客様との関係もあって黙々と仕事を行うので「曇り」という状況が続くのです。
私は、仕事に集中すると周囲が見えなくなるのです。
殆ど社員と会話せずに黙々とパソコンに向かっているタイプなのです。
たまに、お客様と電話で会話する位なのです。
周囲の人にとっては「やりにくいタイプ」なのです。
こういう単調な生活を22年間繰り返してきたのですが、ドライブという事が蘇って、本当に「曇り時々晴れ」を再び実践するようになったのです。
高齢者なので運転の気をつけて、自分が大好きなドライブをエンジョイしたいと思っています。


2.最後に
 「曇り時々晴れ」という言葉を思い出しましたが、「運気が下向きになったら、逆らわず、思い切り凹まして、上向きになった時に思いきり吸い込んで凸になる方がよい」という言葉を思い出しました。
長い人生ですから、いつかは良くなるという教えなのです。
「曇り」という状態をコツコツと続けておけば、何かしらの蓄積が起こり、ある日、福の神様がやって来るのです。
私の福の神様は「大金」という物を運んでくれなかったですが、「幸せ」という大切な物を運んで来てくれました。感謝しています。


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