<月刊AMI>2015年6月号 Vol.167 ■△▽●○□


1.「かぶき者慶次」に学ぶ


 右掲はNHK木曜時代劇「かぶき者慶次」のワンカットです。
8時からの放送なので、ご覧になっている方もいらっしゃると思いますが、視聴率は6%前後のようで意外にも低いようです。
「天皇の料理番」が15%を超えているのでドラマ離れでもないと思います。
やはり、若い人の「時代劇」離れの傾向があるかと思います。
紅白歌合戦でも演歌は人気がないようで、若いアイドル系の歌手が演歌歌手の応援に出てチャンネルを回されないように配慮しているとの事です。
演歌=昭和なのでしょうが、ホンマに昭和が遠くなって行きます。

 「かぶき」は、漢字では「傾奇」とか「歌舞伎」と書くようですが、右掲のように、ド派手な衣装やメイクに代表されるように「奇」をてらうところが特長の一つです。
歴女と呼ばれる方々に前田慶次や直江兼続のファンが多いと言われていますが、上杉藩の運命と重なりヒーロー的な存在のようです。
NHKのドラマでは太閤秀吉に「天下の傾奇者」と呼ばれる程の洒落ぶりであったが、武道も長けており名前を聞いただけで相手が逃げる程の武勇があったと紹介されています。
このNHKドラマは前田慶次の晩年(67才位)を描いており、左程の「傾奇」ぶりではないですが、老齢ながら色気のある魅力を発揮しています。

武道に長けながら「人生」を悟ったような「人を殺す剣はいらん」とか「徳川方の命も上杉方の命も尊い」という言葉で人柄を表しています。
年代設定は、丁度、私の年頃なので、勉強になる所が多いです。

 私は、昭和48年に就職したのですが、当時の上司から「とっちゃんは覇気がない」と言われましたが、確かに、スーツ姿で10年位勤務したような顔をしていたと当時の専務だった十河さんが晩年、評して下さりました。
しかし、外見は別にして内面的にはトヨタ自動車も反対する中でコンピュータを入れると一人気を吐いていたのも事実でした。
こういう風に振り返れば、私の「傾奇」はコンピュータという新しい物への挑戦欲だったと思います。
これが高じて、例えば、日本生命の100周年記念でオフコン2000台投入のプロジェクトでAPPC通信や福島工業の冷凍機の生産管理でMAPICSの展開に挑戦したりと「奇」なものに挑戦したのを思い出します。

 今、私は若い方々に「あなたの傾奇は何ですか」と問いたいと思います。
上辺だけの「傾奇」は金ばかりかかるもので余り感心しませんが、内面的に「実」を伴う「傾奇」は若者らしくて将来性があって頼もしく思います。
実際に、「奇」を実践して「実」をあげる事が大切なのです。
そうでないと新しい世界が拓けないのです。
私も経営コンサルタントを始める時に、仲間の方たちは先生風というのでしょうが、ロングの髪・口髭というスタイルにされていましたが、中身が伴わない時なので滑稽にしか映らなかったのを思い出します。
外見だけの「傾奇」は、本当に戒めねばと思っています。
ぜひ、あなたの「奇」を発揮して未来を切り拓いて頂きたいと思っています。


2.最後に
 子供の躾けでは「おとなしくしなさい」と言う事が多いと思いますが、この延長線上に「他の人と同じようにせよ」という親の押し付けみたいなものが無言の圧力になります。
しかし、これでは、子供の個性が発揮できずに萎縮するという風に悪影響を及ぼすことになりかねないのです。
欧米では「different(差異)」と言って自分の個性を発揮するように躾けるという話を聞いたことがあります。
私もそうでしたが「おとなしく」という親の心境は分かるのですが、その子の個性という点に着目するとケースによるでしょうが「もう、そろそろ・・」と言えるのではないかと思います。


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