<月刊AMI>2012年10月号 Vol.135 ■△▽●○□


1.「事実は命令する」


 右掲は、「あるべき姿」⇔「現状」という図です。
その差を知るという事が重要です。
例えば、よく「一流のものと接しなさい」と言いますが、高級なサービスを知ると「サービス」という概念も変わり、より高いレベルを目指す努力をするようになります。
製造現場でも現状を「表準」(表の標準)と言って、今を知ることから始めて、より高いレベルの「標準」を目指すようになります。

 では、どのようにして「ギャップ」を埋めるのかという事が重要です。
図の中に、グルグルと螺旋状に回りながら上昇するスパイラルアップの図を書いています。
確かに、ストレートに直線的に上昇するのが望ましいのですが、現実的には、PDCAのサイクルを回して徐々に上昇する事が重要なのです。
まず、「とりあえず」ということで出来る範囲でPlan(やり方)を決めて始めることが重要です。
この時に、理想的なことを想い描いても、すぐには実行できないのです。
まず、手の届くPlan(やり方)から始めるのです。

 始める(Do)と何かしらの結果が出ます。
これをCheckして、対策(Action)を練り直すという一連のlan⇒o⇒heck⇒ction⇒lan⇒o・・とPDCAを繰り返すことが重要です。
よく「継続は力なり」と言いますが、続けることで誰でも「これで良いのか?」と考えるようになるのです。
これを定期的にCheckして、新しいAction(対策)を創意工夫するのです。

 では、どんな対策を打つのかという事が重要です。
あくまでも、精神論でもっと頑張れというケースもありますが、やはり「ツール」や「仕掛け」が必要になります。
例えば、営業の方が新規開拓しているとするとiPadのようなタブレットPCを使って「初対面」の緊張感を和らげるツールとして活用されているのですが、資料を効果的に見せるのに必要なソフトがあれば、よりスマートに活用するEZPDFリーダーPROという物があり何百円という超手頃さで入手できるのです。
私なら、会社で買えよという前に自分で買ってしまうような物です。

 これは、単に一例なのです。
ツールは、多くの物が安くなっています。
従って、問題は「欲しい」という思いが重要なのです。
会社で買ってもらうにしても、自分で調べて「これを○○○○円で買ってよろしいか」という風になって欲しいのです。
即決できる価格の物が非常に多いものです。
たとえ、それがレベルの低いものでも効率がアップすれば、かかる費用を回収できるのです。

 次男の嫁になった当社の社員である前澤さんは、掃除道具ではコロコロというローラー式の掃除道具を使うなど工夫してくれました。
当社は、カーペット絨毯なので、掃除機では余り吸引できないのです。
コロコロなら、結構、巻きついてくれるのです。
また、書類を整理するのに富士通のドキュメントスキャナーを提案してくれて、外部からの資料をスキャナーでPDF化しています。
どんどん、提案してくれるのです。これは、非常にうれしい事です。

 ぜひ、定期的にPDCAサイクルを回して、ツールや「仕掛け」を工夫して欲しいものです。
これは、現場で使う方の感覚の問題なのです。
「より良いものを」と思う為には、よい例を知っておく必要が必要なのです。
知っている、すなわち「知識」がなければ新しいものが浮かばないのです。
ぜひ、いろんなチャンスで新しいものに目が行くように心がけて欲しいと思います。
2。「さいごに」
 10月は16日に大阪商工会議所の南支部で「業務改善」についてセミナー講師を行なうのと24日25日に同じく大阪商工会議所が主催する「勧業展」に出展します。
「目標」が決まれば、タスクをブレイクダウンして課題(To−Do)がハッキリします。
お客様の状況を見ているとアットホームな関係というのは結構なのですが、進歩進化の為の目標や方針がぼやけているところが多いように思います。
「方針に連鎖する業務改善」と言いますが、会社をよくするには「方針」や「目標」をハッキリさせて、「とりあえず」のレベルからスタートしてPDCAサイクルを回すことが重要です。


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