<月刊AMI>2007年12月号 Vol.77 ■△▽●○□


1。はじめに


 「格差の時代」と呼ばれていますが、2極化が著しくなって来ました。
天神橋筋商店街の理事長が「梅田に大阪資本の店がなくなった。」と嘆いておられましたが、ヨドバシなどの家電量販店や飲食関係もドンドン関東資本系が進出しています。
このように、大阪だけではなく全国的に「資本」の論理で「地場」と呼ばれる世界が淘汰されているのです。
信用機関のニュースでも「小口倒産」が多くなっています。それも建設関係だけでなく、いろんな業種で起こっています。
「連鎖倒産」という言葉がありますが、それほど大きなインパクトがある企業というものは少なく、こじんまりとしているとの事です。
私たち「地場」にいる人間も「勝ち組」になれるように「革新」をする必要があります。
人の夢は「人+夢=儚」で多くは儚いものですが、買わない宝くじのように「夢」なくして発展はないのです。
「夢」を実現させる「具体論」をシッカリと固めて、元気に頑張って行きたいものです。
「夢」を描きましょう。決して、遅くはないと思います。


2。営業マンとしての2つのスキル

今回は、「教育」について書きたいと思います。
確かに、いろんな点で革新や変革して行かねばならないのですが、「人」そのものに関しては、

 1)OJTで育成することが基本であり
 2)革新的な部分で外部の力をいれて「座学」を取り入れる

という構図が一般的です。

 私の経験では、OJTで先輩から教わった事や、意外にも、社外の方から業務を通して教わった事が今も自分の中で活きています。
「座学」の方は、よくバス-タブ効果と言って、勉強した2・3日は効果があるのですが、すぐに現実に紛れ込んで元の木阿弥に終るので、しつこく何回も教育して「躾ける」という風な精神的なエネルギーが必要になります。
船井総研の経験則では、「座学」で理解して実践にシフトできる人は3%位であり、その動いた3%の方でうまく成功する人は3%に過ぎないので、ホントに、1000人に1人くらいなのです。
これは、私の経験でも同じようなものです。

 「座学」という方式は、なかなか現実的ではないので、この寄稿の中で、文書でヒントをご紹介して行きたいと思います。
それは、「営業の3つのスキル」と言うもので、

@「リレーション構築スキル」・・お客様と良好な関係をつくる
  ・「共感と信頼を得るリレーション構築の極意」
  ・「組織営業に向けてリレーション構築力の磨き方」
A「ヒアリング・スキル」・・お客様の本音を引き出す
  ・「顧客の課題を知るとは?ヒアリングの基本を学ぶ」
  ・「ビジョン共有思考の実践」
  ・「課題把握思考の実践」
B「壁突破スキル」・・御用聞きからコンサルティング営業へシフトする
  ・「営業スキルアップのための『営業力5段階強化法』」
  ・「コンサルティングセールスのための実践的ビジネスフレーム」

であり、Bの中に「営業力5段階強化法」が含まれていて、それは

STEP1 効率的に活動量を増やす.
STEP2 強化すべき顧客を明確にする.
STEP3 顧客ニーズを把握する.
STEP4 提案力を高める.
STEP5 課題解決力を高める

という5段階であります。
興味深い点は、「活動量を増やす」が第1ステップという事です。
また、Bのもう一つの『実践的ビジネスフレーム』は、ビジネス・モデルという戦略的な要素が強いので、これは、この寄稿の中では、取り上げないでおきます。

 @の「共感と信頼を得るリレーション構築の極意」は、本来、OJTで先輩から「極意」を見習う事が多いのです。
私は、「成功体験」の発表という事でトップ・セールスの極意を語って頂き、そのノウハウを掴みとって頂く方式を取っています。
「組織営業に向けてリレーション構築力の磨き方」については、かなりシステム的な要素も絡みますが、例えば、貴社では、「顧客別売上推移表」が作成されますので、この表を使って3層(トップ・ミドル・ロアー)営業を組み立てるようにしています。

 Aの「ヒアリング・スキル」やBの「壁突破スキル」は、ある意味、OJTだけでは不十分かも知れませんので、外部の我々のような立場のものが「座学」(どちらかと言うとロープレ中心で)を実施する方が適切と思います。
特に、「営業力5段階強化法」は、人によって課題が違って来るので、コーチング的な手法が必要と思っています。





3。さいごに

年末になり、皆さんの会社も追い込みがかかっていると思います。
しかし、景気の事を考えるとガソリンの高騰、食料品や消費財の高騰などがあり、しかも、株価も不安定要素を残している等と微妙な状況が重なっています。
その上、政治が混乱しているので、来年度の先行きも怪しい限りという感じになっています。
大手企業は、グローバルな対応力で国内の不安定要素をカバーできるでしょうが、多くの会社では、国内景気に翻弄されるばかりです。
小口倒産が増加しているのは、その現象の現れと思います。
倒産にも気配しながら、頑張っていきましょう。

 
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